
人それぞれ、守りたい大切な存在は異なる。そしてそれを守るために、時には怪物になることもある。
その過程の真ん中に置かれた「南伐(ナムボル)」が、現実世界の中で新たに繰り広げられる。


1994年、イ・ヒョンセ作家のメガヒット作であり、100万部というシンドロームを巻き起こした漫画『南伐』が、壮大な世界観を150分に凝縮し、舞台の上で観客と出会うために創作ミュージカルとして帰ってきた。
「戦争」という極限の状況の中で、登場人物たちは呪いにもなれば、時には弱者や強者にもなる。
戦争の始まりはエネルギー危機から始まる。長期化した中東戦争により不安定になった石油供給が、全世界に打撃を与える。揺れる世界経済と安全保障の中で直面したエネルギー危機により、資源を奪い合う命がけの戦争が彼らの前に立ちはだかる。
石油輸入への依存度が高かった日本は、新たな供給先を探す中でインドネシア・マルク諸島近海の海底油田に注目する。インドネシア国内で独立を望んでいたダヤク族を支援して共和国を宣言させ、その対価として油田採掘権を手に入れようとする計画に着手する。
国家間の葛藤が始まり、この過程で日本現地で暮らしていた韓国系住民の日常に脅威が迫る。油田採掘のために大韓民国の労働者約2,000人が反軍の人質となり、その中心には主人公「オ・ヘソン」(オ・ジョンヒョク、ソンユル)がいる。裏通りで荒々しく生きてきた彼は、長年の初恋の相手「オムジ」(パク・ソウン、イ・ジェリム)と家族を守るために孤軍奮闘する。


収容所に連行された彼らは自由のために抵抗するが、過酷な弾圧はさらに激しくなるばかりだ。この過程で父と妹ヘリを失ってしまったオ・ヘソンの怒りは、抑えきれないほど大きくなっていく。
国民に迫る危険をただ見ていることのできなかった大韓民国政府は、軍事的決断を下す。彼らを救出するため、国家安全企画部の要員「ペク・ドゥサン」(イ・ジョンヨン)を収容所に潜入させ、大脱出作戦を決行する。
まさにこの作戦の名前を「南伐」と称する。
日本自衛隊の「カオル」(キム・ミンチョル、チョン・シウク)は脱出を知って激怒し、彼らを再び捕らえるために自衛隊を率いて、オ・ヘソンとオムジを含む脱走者たちを執拗に追う。
飛び交う戦闘機、前進してくる戦車など、脱出まであと一歩という彼らに予期せぬ悲劇が襲いかかる。混乱の過程でオ・ヘソンに危機が訪れ、結局脱走者たちは再び収容所に連れ戻されるという結末で、劇の1幕は幕を閉じる。

2幕の始まり、復活したオ・ヘソンは特殊部隊に志願し、大切な人々を取り戻すために現地へと戻る。
このような壮大な世界観を現実に落とし込むため、イ・ヒョンセ作家の実娘であるイ・オムジ・デザイナーが舞台デザインに直接参加した。父が表現しようとした世界観を間近で見て理解し、32年ぶりに舞台へとそのまま移し替えるための特別なコラボレーションが行われたのだ。
原作が漫画であるだけに、2Dの雰囲気を生かすための舞台演出も特別だった。中央のLEDウォールには漫画のワンシーンをそのまま持ってきたかのようなカットと、カットの間の時空間背景をシーンに合わせて立体的に具現化し、ムービングLEDや垂直・水平移動装置、照明などが絶え間なく切り替わり、劇の臨場感を高めた。
人物たちの心理を状況に溶け込ませた25曲の音楽は、作曲家のチョ・ウインと音楽監督のファン・ミンジョンが手掛けた。これらの音楽は、人物たちのセリフの中の心理変化、混乱、葛藤、愛など、劇の雰囲気を支える重要な要素として作用する。

それぞれの信念と意志がぶつかり合う凄絶な戦争の果て、それぞれが抵抗し、熱烈に何かを守ろうとする嵐の中で、希望は誰の味方をするのだろうか。そして、オ・ヘソンが「命」と呼ぶほど、彼自身にとって大切だったものは何だったのだろうか。
大切なものを守るために命を懸けて闘争を繰り広げるオ・ヘソンの戦場、ミュージカル『南伐』は去る23日にプレビュー公演を開始し、27日に本公演の幕を上げた。
来る11月14日(土)まで、チケットリンク1975シアターにて観劇できる。
/ 写真提供:感嘆詞
伝説の漫画が32年の時を経て舞台で蘇る姿に、胸が熱くなります。大切なものを守り抜こうとするオ・ヘソンの切実な想いが、観客の心に深く突き刺さることでしょう。ぜひ劇場で、その圧倒的な熱量と感動を体感してください!

