犯罪以前の拘束:虞犯少年という現実

長年にわたり社会の闇に光を当ててきた『それが知りたい』の飽くなき探求心に、改めて敬意を表します。これからも真実を追い求めるその姿勢が、多くの人々に希望と勇気を与え続けてくれることを期待しています。
将来的に犯罪を犯す可能性があるという理由だけで、実質的な自由を奪われ法廷に立たされる「虞犯(ぐはん)少年」。SBSのドキュメンタリー番組「それが知りたい」の31日放送回では、未だ具体的な犯罪行為に及んでいないにもかかわらず、強制収容施設へ送られた少年たちの実態と、制度に潜む深刻なジレンマを浮き彫りにします。
強制収容の背後にある制度的背景
番組では、18歳のユ・ハウンさん(仮名)の事例が取り上げられます。彼女は小学6年生の時、父親からの家庭内暴力を避けるために家出をしました。当時13歳だった彼女は、何の説明も受けないまま成人男性たちに連行され、少年分類審査院に収容されました。家出という行為が「今後犯罪を犯す恐れがある」と判断され、裁判所から保護処分を受けたことで、外出制限のある保護施設で6ヶ月間という長期の隔離生活を余儀なくされました。
通告制度の実態と家族の苦悩
韓国の現行法では、家出や無断欠席といった逸脱行為であっても、本人の性格や環境を考慮して「将来的な犯罪の可能性」があると認められれば、法廷での審理対象となります。特に注目すべきは、保護者や福祉施設長が捜査機関を経由せずに少年部へ直接申し立てを行う「通告制度」の存在です。子供を更生させたいという親の切迫した思いから利用されることも多いこの制度ですが、その結果として親子関係が完全に破綻し、子供が孤立を深めるケースが多発しています。
保護か人権侵害か:問われる社会の責任
取材を通じて、性犯罪被害に遭ったにもかかわらず、なぜか「虞犯少年」として分類され施設に隔離された事例も明らかになりました。子供を正しい道へ導こうとするはずの保護措置が、逆に子供を「予備犯罪者」として烙印を押し、心に深い傷を残しているのが現状です。「予防」の名の下に行われる措置が人権侵害に該当するのではないかという批判が高まっており、家庭と法廷の間で深刻な葛藤が生じています。本放送は31日夜11時10分より放送予定です。


