
280億ウォン規模のプットオプション行使代金を巡るミン・ヒジン前ADOR代表とHYBEの株主間契約解除訴訟が本格的な攻防局面に入った。 法廷ではHYBE側が具体的な証拠を提示し、ミン前代表の背任及び経営権侵害の試みを追及した一方、ミン前代表は核心的な質問ごとに「知らない」「違う」「覚えていない」という回答を一貫して見せた。
先月18日にソウル中央地方法院民事合議31部で開かれた弁論期日では、HYBE側は監査過程で確保したカカオトークの会話とログ記録などを基に、ミン前代表がADORの経営権を分離・離脱させようとしたという状況を集中的に提起した。
HYBE側が最も強く問題視したのは、ミン前代表の側近だったイ・サンウ前ADOR副代表による資料ダウンロードの経緯である。 HYBEによると、イ・サンウはADORに移籍した後、アクセス権限のないHYBE内部の財務関連フォルダに接続し、他レーベルを含む51件の財務資料を一括ダウンロードした。また、移籍前の昨年1月10日にもミン前代表の要請で他レーベルの営業資料を共有した事実がカカオトークの証拠と共に提示された。
これに対しハイブ側が「イ・サンウから該当資料またはその内容を共有されたか」と問うと、ミン前代表は「受け取ったことはない」と答えた。しかしハイブ側が追加のカカオトーク証拠を提示すると「記憶にない」と立場を変えた。

外部投資家との接触も問題視された。ハイブ側はシンガポール投資庁(GIC)、サウジアラビア国営ファンド(PIF)など海外投資家が言及されたカカオトークの会話記録を提示し、ハイブの承認なしに外部投資家と接触した事実があるかを追及した。これに対しミン前代表は「イ・サンウが騒いでいる話に過ぎない」「高く買ってくれるなら悪いことではないのではないか」との趣旨で答弁し、論議を呼んだ。
アドアの協力会社バナ(BANA)をめぐる契約主導も争点となった。ハイブ側がバナのキム・ギヒョン代表がミン前代表の元恋人か尋ねると、ミン前代表はこれを認めた。ハイブ側は契約が更新されるほどバナに有利な報酬構造に変更され、実際に「何の仕事もせずとも毎月3,300万ウォンを受け取れる構造」だったと指摘した。 ニュージンズが契約解除を宣言した後も、バナが毎月数千万ウォンの対価を受け取っていたという主張も続いた。これに対しミン前代表は「能力が優れており、仕事をよくこなした」と反論した。
このほかHYBE側は▲ETIST専属契約解除権限を代表取締役に付与してほしいという要求▲秘密保持条項を含む株主間契約内容をアナリストに漏洩した状況などを証拠として提示し、ミン前代表を圧迫した。 株主間契約の修正要求に関連し、ミン前代表は「世宗(セジョン)側が独自に要請したものと認識している」とし「同意したわけでも、反対したわけでもない」と答え、責任の所在を明確にしなかった。
裁判を通じてミン前代表は具体的な証拠が提示されるたびに回答を回避し、記憶にないという態度を繰り返した。これに対しハイブ側は「核心争点に対する一貫した説明がない」と指摘し、背任と信義誠実義務違反を主張した。
一方、今回の訴訟はミン前代表の刑事責任を判断する手続きではなく、株主間契約解除の正当性とプットオプション行使の可否を争う民事裁判である。ただし、この日の弁論を通じてミン前代表の経営行為と意思決定過程が具体的に明らかになり、今後の裁判の流れに少なからぬ影響を与えるものと見られる。

