
ミュージカル『ブラックメリーポピンズ』が、去る18日の「ハンス・バージョン―メリーポピンズ殺人事件のための弁護」の開幕と共に、初のオールラウンド・バージョン・シーズンの幕を上げました。
2012年に初演された創作ミュージカル『ブラックメリーポピンズ』は、童話『メリー・ポピンズ』をモチーフに制作された作品です。1926年のドイツを舞台に、著名な心理学者グラチェン・シュワルツ博士の邸宅で発生した火災事件の生存者である4人の兄妹と、真実と共に姿を消した保母メリー・シュミットの物語を描いた心理推理スリラーです。
今シーズンの最大の特徴は、各人物の視線で事件を再構成した「オールラウンド・バージョン」です。作品は「ハンス・バージョン―メリーポピンズ殺人事件のための弁護」を皮切りに、「ヘルマン・バージョン―砂男が出てくる夢」、「ヨナス・バージョン―森の記憶」、そして完結編である「アンナの部屋」まで、計4つのバージョンで構成されています。同じ事件を異なる人物の観点から紐解き、人物たちの過去と現在、意識と無意識を行き来する立体的な叙事を披露します。
各バージョンは、台本の細やかな変奏を通じて、同一の事件に対する人物たちの心理や記憶を多角的に照らし出します。観客はバージョンごとに変わる語り手の視線を追いながら、事件の真実に一歩ずつ近づいていくという、一味違った観劇体験を楽しむことができます。
視点が変わるたびに新たな真実が見えてくるなんて、何度でも劇場に足を運びたくなりますね。複雑に絡み合った記憶のパズルがどのように完成するのか、ぜひその目で確かめてみてください!

