
UEFAとFIFAの対立が激化 公式釈明を要求
欧州サッカー連盟(UEFA)が、国際サッカー連盟(FIFA)によるワールドカップの商業権売却プロセスや、ジャンニ・インファンティーノFIFA会長にまつわる一連の疑惑に対し、公式な説明を求める書簡を送付した。来年3月に予定されているFIFA会長選挙を控える中、インファンティーノ氏の運営体制をめぐり、欧州サッカー界との対立がかつてないほど鮮明となっている。
英紙インディペンデントの報道によれば、UEFA側はFIFAに対し、一連の疑惑に関する詳細な釈明と関連資料の提出を求めており、回答期限は11月2日に設定されている。これは、FIFAの意思決定の透明性を問う異例の動きといえる。
ワールドカップ商業権売却計画と意思決定の透明性
テオドール・テオドリディスUEFA事務総長がマティアス・グラフストロームFIFA事務総長宛てに送った書簡には、FIFAによる商業権売却の意思決定プロセスや利益相反の可能性について厳しい追及が盛り込まれている。特に大きな焦点となったのは、FIFAが主導したものの後に白紙となった商業権売却案だ。
FIFAはワールドカップ関連の商業権を管理する新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を設立し、その株式の20%を外部投資家に売却する構想を進めていた。しかし、これに対してUEFAを含む大陸連盟が強く反発した経緯があり、最終的に8月1日に計画は撤回された。UEFAはこの際、なぜ適切な合意形成がなされなかったのか、そのガバナンス構造を問題視している。

政治的影響力と疑惑の全貌
UEFAはさらに、より深い懸念を表明している。その一つが、ドナルド・トランプ氏に関連する利益相反疑惑だ。トランプ氏の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏の弟、ジョシュア・クシュナー氏に優先投資家の地位が与えられたプロセスについて、FIFA側に合理的な説明を求めている。
また、北中米ワールドカップにおける選手への処分軽減問題についても指摘がなされた。米国代表FWフォラリン・バログン選手の出場停止処分が猶予された際、トランプ氏からインファンティーノ会長へ直接接触があったことが報じられており、これが政治的な圧力ではないかとの疑念が浮上している。その他にも、FIFA平和賞の設立背景や、会長個人の報酬、さらには次期会長選挙に向けた公正性の確保など、広範囲にわたる調査が求められている。

次期会長選挙に向けた今後の展望
FIFA内部における会長の独断専行的な運営に対する不信感は、欧州を中心に高まっている。インファンティーノ会長はすでに4選への意欲を示しているが、UEFAはこれに対抗すべく独自候補の擁立を検討しているとみられる。次期会長選挙の候補者登録期限である来月18日に向け、両者の攻防はさらに激化する見通しだ。サッカー界の頂点であるFIFAの統治構造改革が、今後の欧州サッカー界の動向を左右する重要な岐路に立たされている。


