
レアル・マドリードが、国際サッカー連盟(FIFA)によるワールドカップ事業の持分売却計画の撤回を受け、これを歓迎する声明を発表。欧州サッカー連盟(UEFA)に対して公に感謝の意を伝えました。
ESPNは2日、レアル・マドリードが公式サイトを通じ「FIFAが大会の商業権の一部を売却しようとしていた計画を撤回したことは、サッカー界、サッカー制度、そして全世界の情熱的なサッカーファンにとって極めて喜ばしいニュースだ」と報じました。同クラブはさらに「このプロジェクトに断固として反対の姿勢を貫いたUEFA、各大陸連盟、そして加盟協会といった全ての機関に敬意を表する」と述べ、「彼らの強い団結心と責任感が、決定的な局面においてサッカーというスポーツを守り抜いたのだ」と強調しています。
今回の事の発端は、FIFAがワールドカップをはじめとする主要大会の商業・運営部門を担う子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を新設し、その持分の20%を民間投資家へ売却するという案を推進していたことにあります。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、この売却によって大規模な投資資金を確保し、サッカー発展のための財源を調達する構想を描いていました。しかし、UEFAをはじめ、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アジアサッカー連盟(AFC)などが激しく反発。計画は最終的に白紙撤回へと追い込まれました。
特にUEFAは、もし計画が撤回されない場合にはFIFA主催大会のボイコットさえ辞さないという強い圧力をかけていました。さらに、インファンティーノ会長が欧州サッカー界からの信頼を失っていると真っ向から批判し、FIFA加盟国の同意を取り付けた上で不信任案を突きつけることまで検討していたとされています。
レアル・マドリードは声明の中で「クラブこそが、各国代表チームとワールドカップを支える強固な基盤である」とし、「選手を発掘し、育成して代表に送り出しているのは他でもないクラブだ」と論理を展開。続けて「国家代表サッカーやワールドカップは、公共の利益のための大会であり、国家とファン、そして社会全体にとっての貴重な資産だ。ごく少数の利益のために取引されるような、単なる金融資産として扱ってはならない」と強く主張しました。
なお、今回の論争を巡っては、インファンティーノ会長の側近として知られていたグローバル戦略・ガバナンス首席顧問のカルロス・コルデイロ氏が「サッカーの未来を人質にするような誤った取引だ」と断じ辞任。FIFAのケビン・ラムール最高執行責任者(COO)もまた、行政側が当該事業に関して誤った情報を伝えられていた事実を認めるなど、FIFA内部の混乱も浮き彫りとなっています。


