がん闘病の末にこの世を去った韓国の作家、故・全景哲(チョン・ギョンチョル)氏が、重度の自閉症を抱える息子のために切望していた「ピーターパン財団」の設立に向け、最低必要出資金である5億ウォン(約5,500万円)の確保が達成されたことがわかりました。\n\n
闘病の末に逝去した作家の遺志「ピーターパン財団」設立へ
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わずか1週間で目標額の5億ウォンを達成
\n韓国の出版社「話の長寿」は公式SNSを通じ、「ピーターパン財団設立に必要な最低出資金5億ウォンが確保された」と正式に発表しました。数日前まで一般からの寄付金は約1億ウォンにとどまっていましたが、全氏の訃報と同氏が遺したストーリーがオンライン上で急速に拡散。わずか1週間で2億7,000万ウォンを超える寄付が集まるという、驚異的な支援の輪が広がりました。\n\n寄付のプロセスでは、お小遣いを貯めて少額を寄せた小学生から、子供の健康を祈願して寄付を行った親世代まで、金額の多寡を問わず多くの市民が賛同しました。出版社側は「生前に故人が強調していた『世の中は驚くほど温かかった』という言葉が、現実のものとして証明された」と感謝の意を伝え、近く全氏の遺稿集を出版する予定であることも明らかにしました。\n\n
息子を想う父の軌跡と社会の共感
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エッセイ『さようなら、ピーターパン』が遺したもの
\n全氏は妻との離婚後、精神年齢が幼児期にとどまる重度の自閉症を抱えた実息を27年間にわたり一人で育ててきました。息子に「ピーターパン」という愛称をつけ、献身的に暮らしていましたが、去年4月に末期の肝臓がんと診断されました。自身が亡くなった後、一人残される息子の預け先を確保するため、全氏は体調を顧みず、自ら全国1,000カ所以上の福祉施設を巡りました。この切実な旅路を記録したエッセイ『さようなら、ピーターパン』は、出版当時から多くの読者に深い感銘を与えました。\n\n書籍の出版を機に社会的な関心が高まったことで、息子は重度の発達障害者専用の共同体に入所できるようになりました。全氏はそれに満足せず、書籍の印税や関連収益のすべてを寄付し、発達障害者が24時間体制で安心してケアを受けられる、持続可能な共同体「ピーターパン財団」の設立に最期まで全力を注ぎました。今月5日に帰らぬ人となりましたが、同氏が遺した愛は、財団の設立という具体的な形となって実を結ぶことになりました。\n\n
韓国における「親亡き後」の発達障害者支援の現状
\n韓国社会では近年、自閉症スペクトラムなどの発達障害に対する認知度が向上しているものの、成人した障害者を抱える家族が直面する「親が他界した後の支援体制(親亡き後問題)」は非常に深刻な社会課題です。特に24時間のケアを必要とする重度障害者のための施設や公的支援は限られており、家族にかかる負担は計り知れません。全氏が目指した民間主導による持続可能なケア共同体(財団)の設立モデルは、制度の隙間を埋める先駆的な試みとして、福祉関係者からも注目されています。今回の市民による連帯は、個人の福祉ニーズを社会全体で支える重要な一歩となりました。\n\n
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