

女優のヨム・ヘランが、新作映画『私の名前は』を通じて、代わりがいない主演女優としての真価を発揮し、観客はもちろん、大統領の心までも動かしました。
15日に公開されたチョン・ジヨン監督の『私の名前は』は、1998年の春、自分の名前を変えたいと願う18歳の息子・ヨンオクと、1949年の済州4・3事件の凄惨な記憶を封印したまま生きる母親・チョンスンの軌跡を追うミステリードラマです。劇中、ヨム・ヘランは過去の断片を失った舞踊教師「チョンスン」役を演じ、1948年と1998年を貫く悲劇的叙事詩の中心軸を見事に消化しました。
ヨム・ヘランは、息子をたくましく育て上げた強い母親の姿から、国家暴力の被害者として経験する苦しみまで、繊細な内面演技で描き出しました。特に、ピンク色のサングラスを外し、死者たちの魂をなでるようなエンディングの舞いは、観客の心の深淵に迫るクライマックスとして挙げられます。このような熱演は、第76回ベルリン国際映画祭で「悲劇が残した沈黙を打ち破る驚異的な響き」という海外メディアの絶賛を引き出し、チョン・ジヨン監督もまた、彼に向けてどんな役でも完璧に消化する卓越した演技者だと信頼を示しました。
映画が伝える重いメッセージは、イ・ジェミョン大統領にも届きました。公開当日、市民たちと共に映画を鑑賞したイ大統領は、済州4・3の傷跡と歴史的責任を振り返りました。イ大統領は「主人公の胸の傷が忘却を突き破り、トラウマとして現在を苦しめる」と述べ、その苦しみが子孫の世代に受け継がれる現実を残念に思いました。続けて「歴史の真実は覆い隠したからといって埋もれるものではなく、真実を知らせ、軌道を正すのに遅すぎるということはない」と強調しました。
特にイ大統領は、今回の鑑賞を機に、国家暴力に対する具体的な対応意思を表明しました。国家暴力に対する公訴時効をなくし、民事訴訟の道を保障して、被害者に実質的な補償が行われるようにする方針です。イ大統領は「映画の中の主人公が名前を取り戻したように、済州4・3の傷にきちんとした『名前』を取り戻してあげる」と約束し、永遠の責任は正しい記憶から始まるという点を明確にしました。このように、ヨム・ヘランの圧倒的な演技力で完成された『私の名前は』は、単なる映画的な感動を超え、国家的な次元の歴史正しさの議論へと広がりを見せています。




