
国立青年劇団が、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の一つ『ハムレット』を新たな演出で上演します。復讐と狂気が渦巻く物語を「おままごと」という形式で再構築し、滑稽さと悲劇が交錯する斬新な舞台を披露します。
江原道4都市を巡るシェイクスピアシリーズ
今回の『ハムレット』は、10月30日の寧越(ヨンウォル)を皮切りに、横城(フェンソン)、江陵(カンヌン)、原州(ウォンジュ)と江原地域の4都市で順次上演されます。これは、この夏に上演され好評を博した『ヘパイストス ロミオとジュリエット』に続く、国立青年劇団によるシェイクスピアシリーズの第2弾となります。
「おままごと」が映し出すハムレットの葛藤
今作では、原作の主要な登場人物や物語の骨組みを維持しつつ、復讐劇という重いテーマを「遊び」の形式で展開します。いたずらと現実の境界線が曖昧になる中で、王子ハムレットが自らの内面の声と向き合い、真の自己を探求していくプロセスを強調しています。
物語は、亡き先王の亡霊が現れた夜明け、ハムレットが父の死の真相を知るところから始まります。先王の葬儀と母ガートルード、叔父クローディアスの結婚式が同時に執り行われるという異常な状況下で、ハムレットの真実追求が周囲の人物たちの悲劇を複雑に絡めていきます。

悲劇を際立たせる滑稽な演出手法
舞台上では、剣や酒杯といった小道具までもが「遊び道具」として扱われ、悲劇的な出来事が滑稽かつ誇張された表現で描き出されます。観客に笑いを提供しつつも、その背後に潜む死の影や取り返しのつかない結末を鋭く浮き彫りにする演出が特徴です。
演出のシン・ジノ氏は、「原作の骨格を残しつつ、物語の間をアイロニーと遊びの要素で埋めることで新たな緊張感を生み出したかった」と語っています。また、観客に向けて「笑った瞬間を後から思い返し、そこに隠された論理や意味を発見してほしい」とのメッセージを寄せています。
公演情報と地域貢献
出演は、ハムレット役のイ・ヨンウを筆頭に、ユ・ヒョンジュ、ホン・ソンミン、ユ・ヨンら2026年度の国立青年劇団団員たちが担当します。彼らは江原道原州の練習室で約2ヶ月間にわたり、濃密な稽古を重ねてきました。
各公演の日程は以下の通りです。
・10月30日〜31日:寧越文化芸術会館
・11月6日〜7日:横城文化芸術会館大公演場
・11月28日〜29日:江陵アートセンター小公演場
・12月4日〜6日:原州白雲アートホール
全席1万ウォンという価格設定に加え、江原道民および各地域の住民には50%の割引特典も用意されています。韓国の地方自治体主導の公演では、文化振興を目的とした地元住民へのこうした優待制度が一般的であり、地域文化の活性化に一役買っています。古典の名作に新たな視点を持ち込む今回の試みは、観客に深い余韻をもたらすことでしょう。

