
ブリール・エンボロ(スタッド・レンヌ)が、2026北中米ワールドカップ開幕を10日余りに控え、予期せぬビザの問題で足止めを食らっている。わずか1年前、スイス代表チームと共にアメリカ遠征を行った際には何の問題もなかったが、今回はアメリカへの入国許可が保留され、代表チームへの合流が遅れている。
スイスサッカー協会によると、エンボロは4日、スイス・ベルンのアメリカ大使館を訪れ、緊急ビザの申請手続きを行った。現在、アメリカ当局の最終承認を待っており、許可が下り次第、代表チームのベースキャンプがあるアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴへ移動する予定である。
問題が発生したのは出国直前だった。スイス代表チームがアメリカへ出発する約2時間30分前、アメリカ当局がエンボロの電子渡航認証(ESTA)に対して追加審査を要求したため、搭乗が不可能となった。スイス代表チームの選手団は予定通りアメリカへ出国したが、エンボロだけがスイスに残ることになった。
アメリカ当局が問題視したのは、2018年に発生した事件である。エンボロは当時、スイスのバーゼルで起きた口論に関連して複数の脅迫容疑で起訴され、2023年に執行猶予付きの罰金刑を言い渡された。この判決は昨年の控訴審でも維持され、今年に入って最終確定した。
スイスサッカー協会は、アメリカ側が当該事件に関連する裁判資料を要求し、特に身体的な暴力があったかどうかを集中的に確認したと説明した。協会は「暴力行為はなかった」とし、「アメリカ大使館から、当該申請が優先的に処理されているとの通知を受けた」と明かした。
興味深いのは、エンボロがわずか昨年6月には何の問題もなくアメリカに入国していたという事実だ。当時、スイス代表チームはメキシコ、アメリカとの親善試合のためにアメリカを訪問し、エンボロも通常通り遠征に参加した。しかし、今年判決が最終確定したことで状況が変わった。アメリカ国土安全保障省は、犯罪歴や有罪判決の有無を含めた入国審査を継続的に行っており、ビザ免除プログラムの利用資格に影響を与える可能性があると説明した。スイスとしては、主力FWの不在が長引けば少なくない打撃を受ける可能性がある。Aマッチ86試合で24ゴールを記録したエンボロは、今大会でも最前線の核心戦力として挙げられている。
一方、スイスは北中米ワールドカップのグループBでカナダ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カタールと競う。来る13日、アメリカ・サンフランシスコ近郊のサンタクララでカタールを相手にグループリーグ初戦を行う。今大会ではスイスだけでなく、南アフリカ共和国、ハイチ、イランなど複数の国代表チームがアメリカのビザ問題により、ワールドカップ準備に支障をきたしている。


