
世界最強を誇ってきたサッカー女子アメリカ代表が、ホームで女子世界ランキング1位のスペイン代表に0-2で完敗を喫しました。試合開始わずか14分で連続失点を許し、守備陣が崩壊する衝撃的な展開となりました。
アメリカ代表は10日、ワシントンD.C.のアウディ・フィールドで行われた国際親善試合でスペインと対戦しました。FIFAランキング2位のアメリカは2024年パリ五輪の金メダリストであり、同1位のスペインは2023年FIFA女子ワールドカップの覇者という、世界トップレベル同士の注目の一戦でした。
序盤14分で2失点:立ち上がりに見せた守備の乱れ
勝負の行方は試合序盤の14分間で大きく傾きました。
前半3分、スペインのパトリ・ギハーロがペナルティエリア外から強烈なミドルシュートを叩き込み先制。アメリカはボールを奪われた後の守備陣形の整えが遅れ、相手にフリーでシュートを打たせるスペースを与えてしまいました。
さらにその11分後、再び守備の隙を突かれます。サルマ・パラジュエロが左サイドから鋭いクロスを供給すると、フリーで走り込んだエバ・ナバーロが合わせて追加点を奪いました。
エマ・ヘイズ監督の苦言と前半の苦戦
アメリカ代表を率いるエマ・ヘイズ監督の就任以降、チームが2点差を追う展開となったのは今回が初めてです。米地元メディアも、今回の敗戦を来年に控えた女子ワールドカップに向けた「厳しい現実の突きつけ」と報じています。
ヘイズ監督は試合後の記者会見で、「世界最高峰のチームを相手に0-2というスタートを切ってはならない。特に、今回のような形での失点は絶対に避けるべきだった」と強い危機感を露わにしました。
前半のアメリカは、スペインの鋭いハイプレスと中盤での巧みなゲームメイクに苦戦を強いられました。ローズ・ラヴェル、リリー・ヨハネス、リンジー・ホランで構成された中盤ラインは、相手の強烈なプレッシャーを回避することができず、攻撃の起点を作れませんでした。
後半の猛追と立ちはだかった決定力不足
後半に入るとアメリカは修正を図り、試合の主導権を握り直しました。シュート数で13対6と相手を上回り、後半のスペインによる枠内シュートを0本に抑え込む健闘を見せました。
しかし、最大の課題として残ったのが決定力不足でした。
ソフィア・スミスのシュートがゴールポストを直撃したほか、後半8分にネットを揺らしたゴールはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定によりオフサイドで取り消しとなりました。さらに後半22分には、19歳の新星リリー・ヨハネスが獲得したペナルティキック(PK)を外してしまうなど、反撃のチャンスを生かし切れませんでした。
主力不在の中で露呈した課題と13日の再戦
アメリカは今年4月に日本代表(なでしこジャパン)に0-1、6月にはブラジル代表に1-2で敗れるなど、強豪国との対戦で試練が続いています。今回のスペイン戦は、世界トップレベルとの真剣勝負において、序盤の守備の乱れ、中盤での組み立て、攻撃のフィニッシュ精度という課題が同時に浮き彫りとなった格好です。
この試合では、アメリカ側が主力センターバックのナオミ・ギルマと守備的MFのサム・コフィーを負傷で欠いていた一方、スペイン側もアイタナ・ボンマティ、ヴィッキー・ロペス、マリオナ・カルデンテイ、カタ・コルといった中心選手らを欠く状況でした。お互いにベストメンバーではない条件下の戦いでしたが、ミスを確実に得点へと結びつけたスペインの決定力が勝敗を分けました。
注目の両チームは、来る13日にペンシルベニア州チェスターにて再び親善試合を行ないます。短期間での修正と巻き返しが期待されます。


