
「サイン盗みスキャンダル」の中心人物となったカルロス・ベルトラン氏が、監督として現場復帰を果たす可能性がにわかに高まっています。ベルトラン氏は21日(現地時間)、記者団とのオンラインインタビューに応じ、「監督として野球人生の第2幕を歩むことを夢見ている」と明かしました。また、先月カルロス・メンドーサ前監督を解任したニューヨーク・メッツから、実際に監督就任の打診を受けていたことも告白。「(解任当時は)自分がその座に就くのに適切なタイミングだとは思えなかった」としつつも、「しかし、監督を務めることは私のバケットリスト(生涯で成し遂げたいことリスト)の一つであることに変わりはない」と語りました。米スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』は、現在アン・グリーン監督代行が率いるメッツが、今シーズン終了後に本格的な新監督招聘に動く見通しであり、ベルトラン氏もその有力な候補に挙がっていると報じています。
ベルトラン氏は2019年11月にも、一度メッツの監督に就任した経緯があります。しかし、その任期は極めて短いものでした。ヒューストン・アストロズが2017年シーズンに電子機器を用いて相手捕手のサインを盗み、ゴミ箱を叩く音で打者に球種を伝達していたとされる「サイン盗みスキャンダル」が発覚したためです。当時、アストロズのベテラン選手だったベルトラン氏がこの行為を主導していたことが明らかとなり、激しい非難を浴びることに。その結果、メッツは監督就任発表からわずか2ヶ月後の2020年1月、一度も指揮を執らせることなくベルトラン氏を解任しました。
現役時代のベルトラン氏は、メジャーリーグを代表する走攻守に優れたスター外野手でした。メジャー20年間での通算打率は.279、OPS.837、2725安打、435本塁打を記録。俊足でも知られ、通算312盗塁をマークしています。さらに、ポストシーズン通算OPSは驚異の1.021に達するなど、大舞台での圧倒的な強さを誇りました。唯一の心残りだったワールドシリーズ制覇リングも、2017年にアストロズで獲得。しかし、その悲願の初優勝は、のちに巨大なサイン盗みスキャンダルによって泥を塗られる形となってしまいました。


