
マウリシオ・ポチェッティーノ・アメリカ男子サッカー代表監督が、アメリカを世界的なサッカー強豪国へと押し上げるという長期的な青写真と決意を明らかにした。
ポチェッティーノ監督は7日、現地のメディアインタビューに応じ、「アメリカを世界で最も強力なサッカー大国の一つにすることが我々の目指す未来だ」と強調。「その歴史的なプロセスの一部になれることは、私にとって非常に喜ばしく、興奮を隠せないことだ」と意欲を語った。
自国開催となった2026北中米ワールドカップでは、期待された結果を残せず無念の敗退を喫したアメリカだが、アメリカサッカー連盟は8月にポチェッティーノ監督との契約延長という形で信頼を示した。
2024年に就任当初、ポチェッティーノ監督は2026年W杯までの「短期任務」を担うと目されていた。しかし、今回の契約延長によりその役割は劇的に拡大。今後はA代表の指揮にとどまらず、ユース世代の育成、指導者育成の仕組み作り、さらにプロリーグとの緊密な連携など、アメリカサッカーのシステム全体に深く関与することになる。代表監督がここまで多岐にわたる分野を掌握するのは、極めて異例の措置である。
ポチェッティーノ監督は、「W杯で再び好成績を残し、ファンと特別な絆を築きたい。連盟が今まさに構築しようとしているレガシー(遺産)を共に作り上げることが、私の重要な使命だ」と力強く述べた。
当面の大きなターゲットは、2028年ロサンゼルスオリンピックだ。監督はU-23代表を率いるスティーヴ・チェルンドロ監督と綿密に連携し、五輪出場資格を持つ若き才能たちの発掘と選定を進める計画を明かした。「我々には五輪で頂点に立つべき才能たちが揃っている。自国開催の大会だけに、金メダル獲得こそが連盟と国家の揺るぎない目標だ」と闘志を燃やす。
また、若手選手の代表招集に対するクラブ側の姿勢にも、苦言を呈した。体力管理などを理由に、17〜19歳の世代別代表招集を渋る指導者やクラブに対し、強い危機感を示したのだ。
「17歳の選手に休息が必要だと?それは大きな問題だ」と切り出したポチェッティーノ監督。「17、18歳の若者を30歳のベテランと同じように管理してはならない。私が15歳から17歳の頃は、1日に2〜3試合こなすことも日常茶飯事だった。18歳には32歳とは全く異なる回復力がある。若いうちに正しい習慣と原則を身につけさせることこそが、彼らの未来にとって最も重要なのだ」と熱弁した。
さらに、二重国籍を持つタレントの確保にも積極的な動きを見せている。ドイツとアメリカの国籍を持ち、去就が注目されている19歳のDFノア・カイ・バンクスについて、ドイツ代表のユルゲン・クロップ監督が直接視察に訪れたとの報道もあるが、ポチェッティーノ監督は冷静だ。「代表を選択しうるすべての二重国籍選手と密に連絡を取り合っている。大切なのは、選手たちと真摯な人間関係を築くことだ」と語る。「彼らが自らの意志でアメリカのために戦いたいと望み、実力で選出するに値すると判断すれば、当然ながら門戸を開く」と、将来的な招集への可能性を示唆した。
また、移籍市場最終日にエヴァートンへの移籍が破談となり、動揺が懸念されるFWフォラリン・バログンに対しても、指揮官としての温かい支援を約束した。「エヴァートンでの出来事の直後だったため、少し時間を置く必要があった」と配慮を見せつつ、「数日中に本人に直接電話をして、現状と心境を聞いてみるつもりだ。バログンは我々にとって欠かせない重要な戦力であり、W杯でも大きな役割を果たしてくれた。モナコであれ、他の場所であれ、彼が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を見つけられるようサポートしたい」と、選手を第一に考えた指揮官らしい一面を覗かせた。
アメリカ代表は9月末からペルー、チリ、メキシコ、カナダとの4連戦に臨む。ポチェッティーノ監督にとってこの期間は、2028年ロサンゼルス五輪、そして2030年ワールドカップを見据え、若手選手を本格的にテストし、チームの土台を固める絶好の機会となるだろう。


