映画監督ホン・サンスとキム・ミンヒの法的関係と相続の現状

映画監督のホン・サンス氏と女優のキム・ミンヒ氏の間に生まれたとされる子供をめぐる相続問題が、韓国のメディアや法曹界で注目を集めています。長年パートナー関係にある二人ですが、法的には夫婦関係ではありません。このため、ホン・サンス監督に万が一の事態が発生した場合、キム・ミンヒ氏と子供では、相続における法的な地位や権利が大きく異なります。
離婚専門弁護士のヤン・ナレ氏は、韓国のTV朝鮮とのインタビューで、この複雑な状況について解説しました。ホン・サンス監督は現在も既存の配偶者と法的に婚姻関係を維持しており、2019年に裁判所で離婚請求が却下されて以降、控訴を行っていないため、依然として法的な夫婦関係が続いています。
法的な「配偶者」に該当しないキム・ミンヒ氏の立場

キム・ミンヒ氏はホン・サンス監督と長年同居し、子供を育てていますが、韓国の民法上、事実婚は配偶者としての相続権を認められません。したがって、現在の法的な枠組みにおいて、ホン監督が亡くなった場合にキム・ミンヒ氏が配偶者として自動的に遺産を相続する権利は発生しません。「相続ゼロ」という報道は、この法的な婚姻関係に基づいた指摘です。
韓国の法律では、婚姻届を出していないパートナーは法的な親族とはみなされないため、遺産相続の優先順位からも除外されます。これは日本の相続法と同様の考え方であり、法的な保護を受けるためには、公証役場での遺言書の作成や生前贈与といった具体的な法的準備が不可欠です。
子供の権利と法的認知の重要性
一方、二人の間に生まれた子供については別の基準が適用されます。両親が未婚であっても、父親が子供を自らの子として法的に「認知」していれば、親子関係が成立します。認知が完了すれば、婚姻中に生まれた子供と同様の相続権(直系卑属)を有することになります。
もしホン監督に別の相続人がいる場合、認知済みの子供は共同相続人となります。また、法的配偶者が存在する場合には、子供たちの相続分に配偶者の法定相続分が加算される仕組みです。ただし、ホン監督が公的に認知手続きを完了しているかどうかは、現時点では明確にされていません。
生前贈与や遺言による財産の移転
「キム・ミンヒ氏が無一文になる」という見方は、必ずしも正確ではありません。遺言書による遺贈や、生前の贈与といった法的手段を用いれば、資産を渡すことは可能です。相続財産の規模や共同相続人の構成、生前の贈与状況などにより、最終的に相続できる財産は大きく変動します。
キム・ミンヒ氏は、最近公開されたホン・サンス監督の新作『目を逸らす場所がない』で公式の場に復帰しました。ロカルノ国際映画祭の席上では、出産後の休業期間中に授乳や離乳食作りなどの育児を行っていたと自ら語る場面もありました。公的な私生活の断片と法的な相続という現実は、現代の韓国芸能界における家族のあり方の多様性と、それに伴う法的な課題を浮き彫りにしています。



