
シカゴ・ホワイトソックスはメジャーリーグで最悪のチームだった。2023年から昨年まで3シーズン連続で100敗を記録した。2024年は41勝121敗という歴史上最も悲惨な成績を残した。その年、ホワイトソックスよりも敗戦数が多かったチームは、1899年に20勝134敗を記録したクリーブランドしかなかった。
そんなホワイトソックスが変わった。今年も最下位脱出は難しいだろうという予想を覆し、逆転劇を繰り広げている。18日現在、24勝22敗で勝率.522をマークし、アメリカンリーグ中地区2位につけている。この日、ホワイトソックスは地域ライバルのシカゴ・カブスを9-8で下し、3連戦の勝ち越しを決めた。勝率6割台の強豪を倒したのだ。まだシーズン50試合も消化していないが、5年ぶりのポストシーズン進出の展望も語られ始めている。
日本人強打者の村上宗隆が、ホワイトソックス旋風の中心にいる。シーズン17本塁打でアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)を抑え、アメリカンリーグ本塁打数1位だ。メジャーリーグ全体で見ても、フィラデルフィアのカイル・シュワーバー(20本塁打)に次ぐ2位である。
空振りは多いものの、優れた選球眼と打球の質でそれを補っている。米アスロン・スポーツは「期待長打率、平均打球速度、ハードヒット率、平均打球速度のすべてにおいて、村上は規定打席到達者の中で上位6%に入っている」と指摘し、村上の活躍が偶然ではないと分析した。
村上が加わったことで、ホワイトソックス打線の破壊力は一変した。昨年はチーム本塁打165本で全体23位にとどまっていたが、今年はヤンキースに次ぐ本塁打数を記録している。チーム本塁打64本のうち、17本を村上が放ったものだ。

村上が中心にどっしりと構えることで、中軸を打つコルソン・モンゴメリーやミゲル・バルガスまで相乗効果を得ている。この日までにモンゴメリーが13本塁打、バルガスが11本塁打を記録している。
ホワイトソックスが2年3400万ドルのポスティング契約で村上を獲得した当初は、懐疑的な見方が強かった。日本プロ野球(NPB)でも速球に弱点があった村上が、ビッグリーグの投手たちが投げる時速160kmの剛速球に対応できるのかという懸念が先行していた。ホワイトソックスのここ3年があまりに悲惨だったため、村上が活躍したとしても効果は限定的だろうという見方もあった。村上がそれなりに活躍すれば、ホワイトソックスがトレードを通じて有望株の補強に動くだろうという予測も続いていた。
村上が期待を大きく上回る活躍を見せ、ホワイトソックスまで旋風を巻き起こしていることで、シナリオは全面的に修正されている。村上の価値がさらに上がる前に、ホワイトソックスが延長契約を結ぶべきだという声が出ているのだ。
村上が活躍を続け、ホワイトソックスの若手選手たちが急速に成長すれば、「最悪のチーム」だったホワイトソックスは予想よりもはるかに早く再建を終えることができるだろう。ホワイトソックスは大都市シカゴを本拠地とするビッグマーケット球団だ。ある程度の戦力が整えば、それ以上の高みを目指せる可能性も秘めている。


