
キリアン・エムバペ(レアル・マドリード)が先陣を切ってマルチゴールを決めると、すぐさまリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)がワールドカップ初となるハットトリックで応戦した。さらにアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)までマルチゴールの波に乗った。世界最高のストライカーたちが、同じ日に行われた2026 FIFA北中米ワールドカップの初戦で、まるで約束でもしたかのようにゴールラッシュを繰り広げ、熾烈な得点王争いを予感させた。
開幕前から得点王争いは、今大会の最大の関心事の一つだった。英ガーディアン紙は最近、サッカー担当記者たちの展望を総合した結果、エムバペを最も有力な得点王候補に挙げた。ガーディアンは「今大会直前までのワールドカップ14試合で12ゴールを挙げたエムバペは、史上最高の得点記録を狙える選手」とし、「フランスの戦力が充実しているだけに、多くの得点機会を得るだろう」と予想した。
一方、今大会が事実上のラストワールドカップになると見られるメッシは、経験と決定力を武器にするダークホースとして評価された。ガーディアンは「メッシは依然として重要な瞬間に試合を支配できる選手」とし、「得点王よりも優勝を優先するだろうが、記録争いにおいても決して無視できない存在だ」と分析した。

口火を切ったのはエムバペだった。
エムバペは17日、米ニュージャージー州イーストラザフォードのニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで行われたセネガルとの2026北中米ワールドカップ・グループステージI組第1戦で、後半21分とアディショナルタイムにゴールを決め、フランスの3-1の勝利を導いた。
後半21分、マイケル・オリーズのパスを受けて先制ゴールを決めたエムバペは、セネガルに1点差まで詰め寄られた後半アディショナルタイム、右足のミドルシュートで勝負を決定づけた。
この日2ゴールを挙げたエムバペは、自身のワールドカップ通算得点を14ゴールに伸ばし、ジュスト・フォンテーヌ(13ゴール)が保持していたフランス代表選手のワールドカップ最多得点記録を更新した。また、オリヴィエ・ジルー(57ゴール)を抜き、フランス代表通算最多得点記録も塗り替えた。それだけでなく、ミロスラフ・クローゼ(ドイツ)が持つワールドカップ通算最多得点記録(16ゴール)にも2ゴール差と迫った。

エムバペが突き放すと、ノルウェーの「怪物ストライカー」ハーランドも負けじと得点力を発揮した。
ハーランドは米マサチューセッツ州ボストン・スタジアムで行われたイラクとのI組第1戦で、先制ゴールと決勝ゴールを決め、ノルウェーの4-1の勝利を導いた。おかげでノルウェーはフランスを得失点差で上回り、グループ首位に立った。
ハーランドはイングランド・プレミアリーグ(EPL)で得点王を3度獲得した世界最高のストライカーだが、ワールドカップ本大会は今回が初めてだ。ノルウェーがワールドカップ本大会に出場するのも1998年フランス大会以来、28年ぶりとなる。
しかし、この日最も強烈な印象を残したのは、やはりメッシだった。
メッシは米ミズーリ州カンザスシティ・スタジアムで行われたアルジェリアとのグループステージJ組第1戦で3ゴールを叩き込み、アルゼンチンの3-0の完勝を導いた。
前半17分に先制ゴールを決めたメッシは、後半15分と31分にもネットを揺らし、自身ワールドカップ初となるハットトリックを達成した。この日の試合で国際Aマッチ200試合出場を達成したメッシは、ワールドカップの歴史にも新たな金字塔を打ち立てた。2006年ドイツ大会のセルビア・モンテネグロ戦でワールドカップデビューゴールを決めてから、ちょうど20年目にして生まれたハットトリックだった。また、38歳358日という年齢でハットトリックを記録し、クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)が保持していた最年長ハットトリック記録(33歳130日)を塗り替えた。
何よりもメッシはワールドカップ通算得点を16ゴールに伸ばし、クローゼが単独で保持していたワールドカップ通算最多得点記録に肩を並べた。
現在、ワールドカップ通算得点ランキングはメッシとクローゼが共同1位だ。その後にロナウド(ブラジル・15ゴール)、エムバペとゲルト・ミュラー(ドイツ・各14ゴール)が続いている。
両者の競争は今後さらに激しくなると予想される。フランスは23日にイラクと対戦し、アルゼンチンは同日に欧州の伏兵オーストリアと激突する。エムバペがイラク戦で再び爆発すれば、メッシを追い抜いて先にワールドカップ通算最多得点の新記録を樹立する可能性もある。エムバペはセネガル戦後、「記録更新は常に望んできたことだが、我々がここに来た本当の理由を忘れてはいない」とし、「記録について深く考えるのは引退後にする」と語った。メッシも「難しい試合に勝ててよかった」とし、「初戦を勝利でスタートすることは非常に重要だ」と述べた。
海外のベッティング市場は、依然としてエムバペを得点王の最有力候補と評価している。
英国のベッティング比較サイト「オッズチェッカー」は17日時点で、エムバペのワールドカップ得点王オッズを6倍に設定した。続いてハリー・ケイン(イングランド)が9倍、カイ・ハフェルツ(ドイツ)が12倍、ハーランドが14倍、メッシが16倍の順となった。英国のベッティング業者「ラドブロークス」もエムバペを最も有力な候補に挙げ、ケイン、ハフェルツ、ハーランドが追う構図を予想した。「スカイベット」もエムバペ、ハーランド、ケイン、メッシをゴールデンブーツの主要候補群に分類している。
得点王になるためには個人の得点力だけでなく、チームの成績も重要だ。チームが長く勝ち残れば出場時間も増え、ゴールを決める機会も多くなる。スペインと共に強力な優勝候補に挙げられるフランス、ドイツ、アルゼンチンが順調に勝ち進めば、これらの代表チームのストライカーが得点王を獲得する可能性も高まる。一方、28年ぶりにワールドカップ本大会に復帰し、ダークホースと評価されるノルウェーを率いるハーランドは、得点王争いにおいて相対的に不利にならざるを得ない。


