
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長に対する辞任圧力が一段と強まっていますが、実際に任期途中で彼を退陣させるプロセスは、決して容易ではないことが明らかになりました。
米スポーツ専門局『ESPN』は17日、FIFAをめぐる最近の激しい権力闘争を分析。インファンティーノ会長が自ら辞任しない場合、倫理委員会による懲戒処分や、FIFA加盟国による不信任投票が現実的な退陣シナリオであると説明しました。
今回の騒動は、インファンティーノ会長がFIFAの商業部門を別法人である「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」として分社化し、外部の投資家にその株式の一部を売却しようとした計画が明るみに出たことで本格化しました。欧州サッカー連盟(UEFA)やアジアサッカー連盟(AFC)、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)などから猛反発が巻き起こり、インファンティーノ会長は先月1日に計画の撤回を余得なくなされましたが、依然として退陣を求める声は止んでいません。なお、次期のFIFA会長選挙は来年3月18日に予定されています。
任期途中で不信任投票を推し進める具体的な方法は存在します。FIFA加盟国全211協会の20%にあたる43の協会が臨時総会の開催を公式に要請すれば、不信任案を議題に載せることが可能となり、その後の採決で過半数の賛成を得られれば解任が成立します。
しかし、最大のネックとなるのは「時間」と「実際の票数」です。臨時総会の開催要請から実際の投票が行われるまでには約3ヶ月の期間を要するため、仮に今すぐ手続きを開始したとしても、採決は早くとも11月になります。その間に一部の加盟国が「来年3月の定期選挙で判断すればいいのではないか」と静観する姿勢に転じる可能性も十分に考えられます。
さらに、各大陸連盟の幹部たちの意向が、加盟国の実際の投票にそのまま直結するとは限らないという懸念もあります。FIFAからの多額の支援金に大きく依存している多くの中小サッカー協会にとって、現職会長と真っ向から対立することは大きな負担となるためです。実際に、AFC内部でもカタールなどがインファンティーノ会長を支持する姿勢を見せるなど、大陸連盟の上層部と加盟国との間で意見の乖離が生じています。
結局のところ、会長交代を目指す反対陣営がクリアすべき最大の課題は、「インファンティーノ会長が退任し、後任に代わったとしても、FIFAからの支援金や収益が減少することはない」という確固たる保証を加盟国に示すことです。ESPNは、今後の政局を大きく左右する重要な不確定要素(変数)として、サウジアラビアや欧州のメガクラブたちの動向にも注目が集まると指摘しています。

