
メジャーリーグ(MLB)で「最悪のオーナー」として悪名高かったアルテ・モレノ氏(80)が、ついにロサンゼルス・エンゼルスを売却しました。MLB公式サイトなどは2日、モレノ氏がNFLロサンゼルス・ラムズのオーナーを務める大富豪スタン・クロエンケ氏に球団を売却したと報じました。モレノ氏が2003年にエンゼルスを買収してから実に23年目の決断となります。米スポーツ専門局ESPNによると、売却額はなんと40億ドル(約6000億円)。これは今年初めにサンディエゴ・パドレスが売却された際の39億ドルを上回る史上最高額の記録です。買収手続きは来年初頭に正式に完了する見通しとなっています。
本拠地での試合が開かれるたびに「チームを売れ!(Sell the Team)」と怒りのチャントを浴びせていたエンゼルスのファンたちは、この日ばかりは「さようなら、アルテ!(Goodbye Arte)」と連呼し、お祭り騒ぎのような喜びに沸き返りました。この日の試合、チームはニューヨーク・ヤンキースに3-7で敗れたものの、ファンにとっては「アルテが去る」というニュースのほうが遥かに重要だったのです。それほどまでに、モレノ氏に対してファンが積もらせてきた不満とストレスは限界に達していました。
もっとも、モレノ氏がチームを買収した最初の10年間は決して悪いものではありませんでした。2002年に球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げたエンゼルスは、モレノ体制となった後も2004年から2009年までの6シーズンで5度の地区優勝を飾りました。この間、アメリカンリーグ・チャンピオンシップシリーズ(ALCS)にも2回進出するなど、毎年のように世界一を狙える強豪としての地位を築いていました。
しかし、直近の10年間はまさに悲惨の一途をたどりました。2015年から昨年まで11年連続でポストシーズン(PS)進出を逃し、2016年以降はレギュラーシーズンの勝率5割すら一度も超えることができていません。今季にいたっては勝率が4割を下回るレベルまで低迷し、12年連続でのポストシーズン脱落もはや確定的となっています。
メジャーリーグ史に燦然と輝く2大スーパースター、マイク・トラウトと大谷翔平を同時に擁しながらも、エンゼルスは敗北の歴史を繰り返しました。大谷が入団した2018年から、フリーエージェント(FA)でロサンゼルス・ドジャースへ去った2023年までの6年間、エンゼルスはレギュラーシーズン通算401勝469敗、勝率.461という低調な成績にとどまり続けたのです。


