
マドリード・ダービーで見えた戦術的限界
「モウリーニョ、いつものように相変わらずだ」。スペインのスポーツメディア『AS』は、マドリード・ダービーでの敗戦後、レアル・マドリードを率いるジョゼ・モウリーニョ監督の戦術を辛辣に批判しました。試合後の会見では審判の判定に関する論争が主要トピックとなりましたが、現地メディアはそれ以上に、レアル・マドリードが見せた無気力なパフォーマンスこそが、チームが抱える深刻な問題であると指摘しています。
レアル・マドリードは21日、アトレティコ・マドリードとのラ・リーガ第7節アウェイ戦で1-2と敗れました。前半をスコアレスで終えたものの、後半にディーン・ハイセンの退場で数的不利に陥り、PKを含む失点を喫しました。アントニオ・リュディガーが終盤に1点を返しましたが、勝ち点には結びつきませんでした。
判定批判で覆い隠せない「中盤の空白」

試合後、モウリーニョ監督は特定の判定を問題視し、アトレティコ側の選手も退場すべきだったと主張しました。しかし、『AS』はこうした判定への言及が、レアル・マドリードの抱える構造的な問題を隠すための「盾」に過ぎないと分析しています。
特に問題視されたのは中盤の構成です。チュアメニとバルベルデのコンビがアトレティコのプレッシングに対応できず、試合の主導権を握るどころか、攻撃の組み立てにも苦慮しました。結果として攻撃陣の個人技や単発のカウンターに依存する展開が続き、組織的な連動性が欠如していると指摘されています。これは、守備的MFの不在や戦術的バランスの悪さを指摘してきた英メディア『ガーディアン』の見解とも合致する内容です。
「進化」を掲げた復帰後の現実

モウリーニョ監督はレアル・マドリード復帰時、「選手に合わせて進化するサッカー」を標榜していました。しかし、今回の敗戦で浮き彫りになったのは、かつての守備を固めてカウンターを狙う、おなじみのスタイルに固執する姿でした。相手に中盤を明け渡し、クルトワのビッグセーブに頼る現在の戦い方が、欧州トップレベルの舞台で今後も通用し続けるのか、現地では疑問符が投げかけられています。
アトレティコの2点目のシーンでは、イ・ガンインを中心とした攻撃陣に守備網を崩され、戦術的な綻びが露呈しました。イ・ガンインの巧妙なプレーは、相手チームにとって脅威でありながら、レアルの守備組織がそれに対応できなかった事実は重く受け止められるべきです。

かつての「王の帰還」として大きな注目を集めたモウリーニョ体制ですが、マドリード・ダービーを経て、監督の戦術的なアップデートが求められる厳しい局面に立たされています。


