W杯商業権めぐる論争とインファンティーノ会長の動向

「ワールドカップ民営化」をめぐる推進案が激しい批判を浴びた国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が、加盟国に対する追加資金支援の可能性を示唆しました。AFP通信をはじめとする複数の外信によると、インファンティーノ会長はFIFA傘下の6つの大陸連盟会長宛てに書簡を送り、追加支援を支持する姿勢を明らかにしました。
書簡の中で、同会長は「適切な手続きを経て、責任を持って執行できる最大レベルの追加資金支援を支持する」と明言しています。なお、韓国や日本を含むアジア圏においても、FIFAの資金配分は各国のサッカー発展やインフラ整備に直結するため、加盟各国の関心事となっています。
支援の具体化に向けたFIFA評議会の動向
FIFA評議会は、現地時間の10月15日に会議を開催し、この追加資金支給に関する問題を詳細に検討する予定です。現時点で具体的な支援額や支給要件は定まっていません。インファンティーノ会長自身も「現在議論されているいかなる金額も、公式に承認された支給の約束とは見なせない」と述べ、性急な判断を避ける姿勢を見せています。
計画撤回後の内部対立と圧力
今回の動きは、ワールドカップの商業権売却案が白紙撤回された後のFIFA内部の混乱の中で浮上しました。今年7月、インファンティーノ会長はW杯の商業権を扱う子会社「FFE」を設立し、株式の20%を米プライベート・エクイティ・ファンド「トライヴ・キャピタル」へ42億ドルで売却する計画を進めました。
しかし、この計画は世界中のサッカー界から猛烈な反発を招き、最終的に白紙撤回されました。これによりインファンティーノ会長に対する辞任要求の声が高まり、来年3月に予定されているFIFA会長選挙に向けて、再選支持を撤回する加盟国や関係者が現れるなど、組織内の足並みが乱れています。
欧州からの牽制と今後の懸念

反対陣営からの圧力も日増しに強まっています。欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長と北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)のビクター・モンタリアーニ会長らは、FIFAに対し、211の全加盟協会へそれぞれ1000万ドルを支給するよう要求する書簡を送付しました。さらに、イングランドサッカー協会(FA)会長兼FIFA副会長のデビー・ヒューイット氏からも、FFE計画に関連する全文書の公開が求められています。
インファンティーノ会長は改めて、商業権売却の趣旨を「サッカー界への投資を拡大するためのものだった」と釈明しましたが、組織内部の信頼回復には依然として高いハードルが残されています。


