サッカー史上最も深刻な事件とテバス会長が警鐘

ラ・リーガ(スペイン)のハビエル・テバス会長が、2026年北中米ワールドカップ(W杯)で発生したフォラリン・バログン選手(米国代表)の退場処分取り消し騒動を巡り、国際サッカー連盟(FIFA)およびジャンニ・インファンティーノ会長を強く非難しました。テバス会長は、この事態を「サッカー史上最も深刻な事件」と断じ、FIFAのガバナンスの欠如を指摘しています。
騒動の発端となったバログン選手の退場処分
バログン選手は、W杯のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で激しいタックルによりレッドカードを提示され、退場処分を受けました。規定では次戦の出場停止処分が自動的に適用されるはずでしたが、米国の16強・ベルギー戦を翌日に控えたタイミングで、FIFAは1試合の出場停止を1年間猶予する異例の処分変更を行いました。これにより、バログン選手は重要なベルギー戦への出場が可能となりました。
トランプ米大統領の介入疑惑とFIFAの立場
この処分変更において議論が紛糾したのは、ドナルド・トランプ米大統領の介入の事実が浮上したためです。トランプ氏はインファンティーノ会長に直接電話をかけ、バログン選手の処分見直しを要請したことを明かしました。これに対し、FIFA側は処分変更は政治的介入によるものではないと公式に否定し、トランプ氏の言動とは一線を画す姿勢を示しています。
欧州サッカー界からの反発とFIFAの独立性
テバス会長は、英ロンドンで開催された国際プロサッカー選手会(FIFPro)のイベントで、「一国の指導者の電話一つで退場処分が覆ったことは異常だ」と批判しました。この事態を受け、ノルウェーサッカー協会はFIFA会長に対する倫理委員会への提訴を検討。ベルギーサッカー協会やイングランドサッカー協会もFIFAに対して透明性のある資料公開を求めており、欧州を中心にインファンティーノ体制への不信感が急速に高まっています。
インファンティーノ体制への根本的な不信感
テバス会長とインファンティーノ氏の対立は今回が初めてではありません。会長は以前から、FIFAが推進しようとした商業計画「FIFAフォワード・エンタープライズ」についても、サッカーの各国内リーグを破壊する可能性があるとして強く反対してきました。フランス紙ル・モンドのインタビューでは「サッカーの本質を脅かすインファンティーノ時代は終わった」とまで断言しています。国家元首の関与が疑われるこの一件は、FIFAが守るべき「政治的中立性」と「公正性」に対する根深い不信感を露呈させる結果となりました。


