
イングランドのプロサッカー界において、監督を置かずにチームを運営するという異例の試みが注目を集めています。
監督不在の新たなチーム体制
イングランド5部リーグ(ナショナルリーグ)に所属するフォレストグリーン・ローヴァーズは、ロビー・サヴェージ監督の退任を受け、当面の間は新監督を招聘しない方針を固めました。代わって、現役のコーチ3名が共同でチームを指揮する体制へ移行しています。
オーナーが語る「実験」の背景
フォレストグリーンのオーナーであるデイル・ヴィンス氏は、11日のBBCラジオのインタビューで「急いで後任を探すつもりはない」と明言しました。「数試合になるか、あるいは1ヶ月程度続くことになるかは未定だが、まずはこの新しい方式がどのように機能するかを見守りたい」と、この体制が一時的な措置であると同時に、一種の実験であることを示唆しています。
現在、チームはジョシュ・ボーエン、ヤン・クルコフスキー、ジョナサン・グールドの3コーチが共同で現場を管理しています。サヴェージ前監督の離脱後、後任候補との接触も現時点では行われていないといいます。ヴィンス氏は「トレーニングの大部分は以前からコーチ陣が担ってきた。チームを熟知する3人が協力して判断を下すほうが、一人の監督が全権を握るよりもバランスの取れた決定ができる可能性がある」と、従来の指導体制に対する疑問を呈しました。
現状と今後の展望
フォレストグリーンの現在の戦績は、直近のリーグ戦5試合で勝利がないという苦しい状況にあります。10日のハートリプール・ユナイテッド戦では2-4で敗戦を喫し、サヴェージ氏退任後の2試合でも白星を挙げられていません。この厳しい状況下で、オーナーはあえて監督を置かないという決断を下しました。
環境重視から組織改革へ
フォレストグリーンは、もともと2010年にオーナーのヴィンス氏が買収して以来、選手団の食事から肉類を一切排除するヴィーガン経営を導入するなど、環境保護を軸とした独自性の高い運営で世界的に知られています。今回の「監督不在」の試みも、固定観念に縛られない同クラブの経営方針を象徴する新たな挑戦といえるでしょう。サッカークラブの運営モデルを根本から見直そうとするこの実験が、どのような結果をもたらすのか、今後のリーグ戦の結果に関心が寄せられています。


