
子供たちが作ったルールにメッシが託したメッセージ
「楽しめ。何よりも。」
これは、サッカー界のレジェンド、リオネル・メッシが子供たちと共に考えた「サッカーのルール」の10番目として加えた言葉である。試合の勝敗に一喜一憂するのではなく、サッカーというスポーツそのものを純粋に楽しむことの重要性が語られた。
メッシはスペイン・オビエドのパラシオ・デ・ロス・デポルテス体育館にて、多くの子供や青少年たちとの対話イベントに参加した。彼は2026年アストゥリアス皇太子賞スポーツ部門の受賞者に選出されており、授賞式を前に財団が主催する教育プログラムの一環としてこの交流が行われた。会場には数千人ものファンや学生が詰めかけ、メッシの登場を熱烈に歓迎した。
周囲の期待とプレッシャーについて
イベントの際、学生たちは独自のサッカーのルールを9つ準備しており、最後の項目をメッシに依頼した。メッシはそこで、スポーツを楽しむ心の大切さを説くとともに、子供たちを取り巻く大人たちへも重要なメッセージを送った。「多くの子供たちが、周囲や親からの期待によって大きなプレッシャーを感じている」と指摘し、大人の過度な要求が子供たちの成長やサッカーへの意欲に負の影響を与える可能性に触れた。子供が自身の好きなことに自然体で取り組める環境づくりの重要性を強調した形だ。

勝つこと、そして負けから学ぶこと
メッシ自身の競技への向き合い方についても語られた。彼は「常に勝利を目指してプレーしているが、何よりも優先したいのは楽しむことだ」と語り、目標達成に向けた貪欲さと、スポーツを楽しむ純粋な心の両立を説いた。
また、勝敗の受け入れ方に関しては、「勝つことを知るのも重要だが、それ以上に負けから学ぶ姿勢が必要だ」と助言を送った。特にミスをした際には、過去のプレーや結果に執着するのではなく、次のプレーに素早く気持ちを切り替えて集中することが、アスリートとして成長するために欠かせない要素であると説明した。これは、強豪国アルゼンチン代表や欧州のビッグクラブで長年トップを走り続けたメッシだからこその、重みのある言葉と言えるだろう。
次世代に受け継がれる「エル・フエゴ・デル・ディエス」

今回の交流は、アストゥリアス皇太子賞財団による教育プロジェクト「エル・フエゴ・デル・ディエス(El juego del 10)」と連携して実施された。このプログラムは、学生たちがメッシの言葉から学びを得て独自のサッカールールを考案し、学校の現場で実際に適用してみるという試みだ。財団は、この活動を通じて、競技の枠を超えた尊重や共感の精神を次世代が育むことを目的としている。


