ロッカールームでの異例の擁護

相手選手への頭突きにより一発退場処分を受けた選手に対し、叱責するどころかロッカールームでキスをして迎え入れる。トッテナム・ホットスパーのロベルト・デ・ゼルビ監督が、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦で退場となったロドリゴ・ベンタンクールに対して見せた異例の対応が注目を集めている。デ・ゼルビ監督は11日、オールド・トラッフォードで行われた一戦を1-1で終えた後、スカイスポーツのインタビューを通じて、ロッカールームでベンタンクールにキスをしたことを公然と明かした。
頭突き騒動の経緯とレッドカード
騒動の発端は、トッテナムが0-1とリードされていた後半33分に起こった。ベンタンクールはルーク・ショーとの衝突をきっかけにタッチライン付近で激しい神経戦を展開。その際、ショーの顔面に向けて頭を突き出した行為が主審に厳しく判定され、即座にレッドカードが提示された。スカイスポーツやロイター通信などの主要メディアも、この行為を「ヘッドバット(頭突き)」と報じ、極めて危険かつ不適切なプレーであると指摘している。

「愚かな行為」か「必要な闘争心」か
数的不利を招いたベンタンクールの行動は、チームの勝利を阻害する「愚かな」選択と見なされてもおかしくない。しかし、デ・ゼルビ監督の反応は世間の予想とは大きく異なるものだった。監督は試合後、「間違ったやり方であり、肯定されるべきではない」とプレーそのものには釘を刺したものの、「今の我々には、こうした反応と闘争心が必要だ。サッカーの本質は精神力にある」と、結果に対する執着心を高く評価した。
これは単なる擁護ではなく、近年のチームに不足していた「敗北を受け入れない強い姿勢」が、皮肉にも過激な形として表れたことへのポジティブな評価と言える。デ・ゼルビ監督は「できる限りのあらゆる方法で戦う姿勢こそが重要だ」とし、今シーズン初めてチームとしての結束力を感じたと語った。

数的不利からの劇的同点劇
実際、トッテナムはベンタンクールの退場により10人という苦境に立たされながらも、敵地で貴重な勝ち点を持ち帰ることに成功した。マンUがブライアン・ムベウモのゴールで先制し、さらに数的優位を確立した時点では、マンUの勝利は濃厚かに思われた。しかし、後半アディショナルタイム2分、サンドロ・トナーリのクロスをドミニク・ソランケがヘディングで叩き込み、土壇場で試合を振り出しに戻した。
デ・ゼルビ監督は、10人になった後の選手たちがかえって勇敢かつエネルギッシュにプレーした点を称賛した。このエピソードは、時に批判を浴びる激しいプレーであっても、それがチームの勝利への意思を体現するものであれば肯定するという、デ・ゼルビ監督流のマネジメント術を浮き彫りにしている。韓国のスポーツニュースにおいても、このような監督と選手の強固な信頼関係や、情熱的なコミュニケーションは、ファンの間でしばしば熱狂的に語られるトピックとなっている。


