
試合中に発生した人種差別的ヤジの全容
アジア大会男子サッカーでの金メダル獲得に大きく貢献した韓国代表MFオム・ジソン(24・スウォンジー・シティAFC)が、イングランドのプロサッカーの試合中、観客席から発せられた人種差別的なヤジの被害を受けたことが明らかになりました。イギリス・ロンドンのザ・デンで行われたミルウォール対スウォンジーの試合において、選手に対する卑劣な行為が確認され、試合は約7分間にわたり中断される事態となりました。現地の警察は監視カメラ(CCTV)の解析を通じて、犯人の特定を進めています。
後半20分に起きたアクシデントと試合の中断
事件が発生したのは後半20分頃です。オム・ジソン選手が交代要員としてサイドライン付近でウォーミングアップを行っていた際、スウォンジーのベンチ裏の観客席から特定の人種を標的にした罵声が上がったとの通報がなされました。主審のエドワード・ダックワース氏は直ちに試合を停止し、両チームの監督、第4審判、そしてスタジアムの警備責任者を交えて状況の確認と対応の協議を行いました。
スカイスポーツなどの報道によれば、スタジアム内では「人種差別的なヤジに関する報告があり、警察および当局がCCTVを通じた調査を開始している」旨のアナウンスが流され、観客に対しても注意喚起が行われました。
監督およびクラブ側の公式声明
試合後、スウォンジーのヴィトール・マトス監督は会見で被害者がオム・ジソンであることを認め、「審判団が定められた手順に従い、迅速かつ正しく対処してくれたことに感謝する。このような人種差別行為は決して容認されるべきではなく、クラブとしてオム選手を全面的にサポートする」と強い姿勢を示しました。
また、対戦相手であるミルウォール側も「差別行為に対しては無寛容の原則を適用する」と表明。クラブが以前から実施している差別撤廃キャンペーン「Hear Hate? Don’t Hesitate」に基づき、特定された加害者に対しては厳正な措置をとる方針を明らかにしました。なお、イギリスのサッカー界では、選手に対する人種差別行為は非常に重い規律違反とされており、永久入場禁止などの厳罰が下されるケースが一般的です。
オム・ジソン選手の活躍と今後の影響
オム・ジソン選手は、直近の2026年愛知・名古屋アジア大会において4ゴール4アシストを記録し、韓国代表の4大会連続金メダル獲得の立役者となりました。特に日本代表との決勝戦では、勝負を決めるゴールを挙げ、その実力は高く評価されています。今回の被害を受け、SNSや現地のサッカーファンからは同選手に対する激励のメッセージが多数寄せられており、クラブ側も選手を守るための警備体制を強化する見通しです。


