
SNSで公開された「ノー祭祀」の風景
韓国のタレントであるキム・デホが、自身のSNSを通じて秋夕(チュソク)の家族団らんの様子を公開しました。彼は「ノー祭祀(チェサ)」という短い文を添え、伝統的な儀式を行わない新たな形の名節の過ごし方を提示したことで注目を集めました。写真には、キム・デホをはじめとする家族が食卓を囲んで食事を楽しむ様子が収められています。しかし、この写真が公開されると、投稿に含まれるある要素をめぐって、オンライン上で様々な議論が交わされる事態となりました。
食卓の配置をめぐる議論の背景
議論の焦点となったのは、食卓を囲む家族の構成です。公開された写真において、食卓に座っている人物のほとんどが男性であったことが指摘されました。一方で、写っている唯一の女性は、座って食事をするのではなく、食卓の周辺で料理の準備や片付けをしているかのような姿で確認されました。これに対し、一部のユーザーからは「祭祀という儀式は廃止したかもしれないが、家事の役割分担という観点では、依然として旧来の不均衡が残っているのではないか」という批判的な声が上がりました。「男性だけが座って食事をしている光景は、名節の負担が依然として特定の性別に偏っていることを示唆しているのではないか」といった厳しい指摘も散見されます。
過度な憶測に対する慎重論
その一方で、こうした指摘に対して反論や慎重論を唱える声も多く見られます。多くのネットユーザーからは「単なる家族の食事風景の一部を切り取った写真に過ぎず、この一場面だけで家族全体のあり方や価値観を断定するのは過度な憶測である」という意見が寄せられました。インターネット上での拡散において、断片的な情報に基づく批判が先行することへの懸念も示されています。韓国では伝統的な名節文化におけるジェンダーバイアスが社会的に議論されることが多く、今回の投稿もそうした社会的関心の高さが反映された形となりました。
キム・デホの家族観とこれまでの経緯
キム・デホは、以前から大家族の中での名節風景をテレビ番組等で公開し、たびたび話題となってきました。特に、2024年に放送されたMBCの人気バラエティ番組『私は一人で暮らす』では、親戚約50人が集まり、1400株ものキムチを漬けるという過酷な名節の様子を明かし、視聴者に大きな衝撃を与えました。しかし、その後の『助けて!ホームズ』では、「我が家では名節の祭祀を廃止し、キムチも手作りするのではなく購入して食べる形に変化した」と告白していました。これは、韓国社会において伝統的な大家族文化が、核家族化や個人のライフスタイルの尊重といった変化に伴い、徐々に変容していることを象徴する出来事といえます。時代の変遷とともに、名節のあり方は個人の価値観や各家庭の決断によって多様化しています。

