
女子野球史上最高の投手と称される日本のレジェンド、里綾実(37)が、ついにアメリカの舞台へと第一歩を踏み出した。
英紙『ガーディアン』は先月31日、「里が3日、米国女子プロ野球リーグ(WPBL)の開幕戦に、ロサンゼルス・クイーンズの先発投手として登板する」と報じた。
WPBLは、1950年代以来アメリカで初めて発足した女子プロ野球リーグだ。記念すべき最初のシーズンは、イリノイ州スプリングフィールドにあるロビン・ロバーツ・スタジアムで全試合が開催される。参入チームは、ロサンゼルス・クイーンズ、ニューヨーク・ハイツ、サンフランシスコ・ファイアーベルズ、ボストン・ハンターズの4球団だ。
里は、女子野球の歴史において名実ともに“史上最高”の選手の一人だ。2010年から日本代表(マドンナジャパン)のエースとして活躍し、ワールドカップ6連覇という偉業を牽引。さらに、女子野球ワールドカップ史上初となる3大会連続での大会最優秀選手(MVP)受賞という前人未到の金字塔を打ち立てた。
日本女子プロ野球リーグ(JWBL)では、直近4シーズンのうち3シーズンで最多奪三振を記録。2025年には、カナダのインターカウンティ・ベースボールリーグ(IBL)に所属するトロント・メープルリーフスでプレーし、同国のプロリーグでプレーした初の女性選手として歴史にその名を刻んだ。
彼女の最大の武器は、うなるような剛速球と鋭い変化球だ。最高球速は時速約129km(80マイル)に達し、勝負球であるカーブはメジャーリーグ(MLB)の投手たちと比較されるほど驚異的な回転数を誇る。里はガーディアンのインタビューに対し、「新しいリーグでのスタートとなるため、新人のような謙虚な気持ちで、すべてを学びながら挑戦したい」とし、「好奇心を忘れず、オープンな心で新しい環境を受け入れたい」と意気込みを語った。
また、彼女は「基本を重視する日本野球の育成システム」こそが、長年にわたり現役を続けられている原動力だと説明する。里は「素晴らしいパフォーマンスは、徹底した準備から生まれるもの」と語り、「ファンの方々には、実際のプレーだけでなく、試合に臨むまでの準備過程や心構えも合わせて注目していただけたら嬉しい」と思いを明かした。
彼女とバッテリーを組む米国代表の捕手、デナエ・ベニテスは「かつて代表戦で対戦相手として見上げていた伝説の投手の球を、こうして自らのミットで受けられるなんて、いまだに信じられない気持ち」と興奮を隠せない。「これからは彼女の卓越した球種や、そのピッチングの秘訣を間近で学べるのが本当に楽しみ」と語っている。
長年にわたりアメリカの選手たちを「最大のライバル」と見なしてきた里だが、女子野球の先駆者たちを追ったドキュメンタリー映画『See Her, Be Her』への出演をきっかけに、互いに同じ困難や葛藤を乗り越えながら女子野球の道を切り拓いてきた「同志」であると気づいたという。彼女は「これからは同じリーグの仲間として、共に新しい歴史を創り上げていくことができる。今はただ、期待とワクワク感でいっぱい」と目を輝かせた。
WPBLの共同創設者であり、コミッショナーを務めるジャスティン・シーガルは、「世界最高峰のリーグを創り上げるためには、世界最高のプレイヤーたちを集結させる必要がある」とした上で、「国ごとに異なる野球文化やプレースタイルが、この地で融合することこそが、本リーグの大きな魅力の一つ」と、その意義を強調した。
16年もの間、日本やカナダなどの一線でキャリアを重ねてきた里。アメリカの舞台でも、その圧倒的な経験値を武器にチームの大黒柱としての活躍が期待されている。彼女は「アメリカならではの自由でダイナミックな野球と、日本らしい基本を徹底する精密な野球が融合すれば、きっと最も理想的な素晴らしい野球を体現できるはず」と、熱く未来を見据えている。



