ゴール量産と高速トランジションの幕開け!プレミアリーグが再び「混沌の激戦リーグ」へと変貌を遂げた理由

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スピーディーに、走り回り、果敢に…再び「混沌のリーグ」と化したEPL
イギリス『ガーディアン』キャプチャー

世界最高峰のサッカーリーグと称されるイングランド・プレミアリーグ(EPL)が、かつてない「混沌」とした展開を見せています。スピーディーで運動量が多く、果敢にゴールを狙うエキサイティングな攻撃サッカーがピッチ上で繰り広げられており、シーズン序盤ながらリーグ全体に大きな地殻変動が起きています。

イギリスの有力紙『ガーディアン』は「ミドルシュートとゴールラッシュ:混沌の中へと戻ったプレミアリーグ」と題した特集記事を掲載しました。同紙は今季のEPL序盤のトレンドを分析し、「各チームの運動量が増加し、セットプレーからの得点が減少する一方で、攻守が激しく入れ替わるトランジションサッカーが主流になっている」と評価しています。

プレミアリーグでゴールラッシュが続く理由

昨シーズンを上回る1試合平均得点

今シーズンの際立った特徴として、まず得点数の大幅な増加が挙げられます。昨シーズンのEPLにおける1試合平均得点は2.75ゴールでしたが、今シーズン序盤は2.82ゴールへと上昇しました。一般的に、シーズン序盤は選手の体力が十分にあり、守備の組織力も整っているため、得点が生まれにくい時期とされています。実際に過去5シーズンのうち4シーズンでは、リーグ後半戦に進むにつれて平均得点が少なくとも0.21ゴール以上増加する傾向がありました。このまま序盤のハイペースなゴールラッシュが続けば、今シーズンはEPL史上屈指の多得点シーズンとなる可能性があります。

スピーディーに、走り回り、果敢に…再び「混沌のリーグ」と化したEPL
昨シーズン比でEPL全チームの活動量が増加した。イギリス『ガーディアン』キャプチャー

データで見るプレイスタイルの劇的な変化

走行距離の増加と「トランジションサッカー」への移行

得点が増加した背景には、選手たちの圧倒的な活動量があります。全チームの1試合平均走行距離は、昨シーズンに比べて明確に増加しました。現在、走行距離でリーグ最下位に位置するリバプールでさえ、昨シーズンのどのチームの平均値よりも多く走っているという驚くべきデータが出ています。これは選手の体力が万全なシーズン序盤ならではの現象とも言えますが、根本的な要因は戦術の変化にあります。

『ガーディアン』は、この活動量増加の要因を「トランジション(攻守の切り替え)サッカー」への回帰であると分析しています。チーム全体の攻守の切り替え速度が極限まで高まったことで、必然的に走行距離が増えているのです。昨シーズンのEPLは、欧州5大リーグの中でカウンターから生まれたシュートが最も少なく、1試合あたりわずか1.75本にとどまっていました。しかし、今シーズンはこの数値が2.08本へと急上昇しています。これは昨シーズンの基準で見ると、縦に速いサッカーで知られるドイツ・ブンデスリーガ(2.26本)に次ぐ高い水準です。

スピーディーに、走り回り、果敢に…再び「混沌のリーグ」と化したEPL
ボックス内の得点は減り、ボックス外の得点が増えている。イギリス『ガーディアン』キャプチャー

ボックス外からのミドルシュート試行数の急増

また、ゴール前での崩しだけでなく、ミドルシュートの増加も今季の特徴です。近年はデータ分析(期待ゴール値:xGなど)の普及伴い、得点確率の低いエリアからのミドルシュートを避け、ペナルティボックス内でより確実な決定機を作るプレイスタイルが定着していました。しかし今シーズンはその流れに変化が生じており、ボックス外からのミドルシュートの試みと、そこからの得点が目に見えて増えています。

その代表例が、日本代表の三笘薫選手が所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンです。ブライトンは、昨シーズン全体で記録したボックス外からの得点数(6ゴール)の半分を超えるゴールを、今シーズンは早くも開幕直後の段階で達成しています。こうした積極的な遠距離からのシュートは、相手の守備ブロックをこじ開ける新たな武器となっています。

セットプレーによる得点の減少とカウンター対策

一方で、セットプレーからの得点は減少傾向にあります。セットプレーから生まれたシュート自体は7.8本から8.2本へと増加しているものの、期待得点(xG)は0.76から0.72へと低下。実際の得点数も0.71ゴールから0.56ゴールへと減少しています。つまり、セットプレーの機会自体は増えているものの、決定機に結びつける精度が落ちていることを意味します。これは、各チームが素早いトランジションに対応するため、セットプレーの守備を徹底的に整備し、失点後に即座にカウンターへと移行する守備戦術を強化しているためと考えられます。

今後の展望:ポゼッション重視からスピーディーな乱打戦へ

現段階ではまだシーズン序盤であり、多くの新監督が就任したばかりでチーム戦術が未完成であることも影響している可能性があります。リーグが進むにつれて戦術が熟成され、データが例年の平均値へと収束していくことも十分に考えられます。しかし、現在繰り広げられているEPLの戦いは、昨シーズンまでのトレンドとは一線を画しています。ボールを保持してゲームをコントロールする「ポゼッション至上主義」から脱却し、目まぐるしい攻守の切り替えとミドルシュートが飛び交う「スピーディーな乱打戦」へと移行しているプレミアリーグ。この混沌とした戦いが今後どのような結末を迎えるのか、世界中のサッカーファンの注目が集まっています。

Grey

Grey

K-pop & Sports Content Editor

worked in Asia National News Media since 2019
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