
「野球をしながら気づいたのですが、アイスクリームコーンには幸運が宿っているようです」
米プロ野球メジャーリーグ(MLB)シカゴ・ホワイトソックスの正捕手カイル・ティールは、クリーブランドとのアメリカンリーグ・ディビジョンシリーズ(ALDS)第1戦に勝利した後、インタビューでこのように語り、周囲の笑いを誘いました。「球場の冷凍庫にあるコーンアイスなのですが、これには不思議な力がある」と真剣な表情で語るその裏には、チームを包む奇妙なジンクスがありました。
「始まりは村上宗隆の決勝弾」控え外野手が明かすジンクスの真相
この「アイスクリーム伝説」が誕生したのは、第1戦の4回表。村上宗隆選手が放った決勝ホームランの場面に遡ります。ホワイトソックスの控え外野手であるサム・アントナッチは、試合後のインタビューで「村上がホームランを打った時、実はベンチでアイスクリームを食べていたんだ」と告白。「そのアイスクリームのおかげで得点が入ったし、僕自身も9回に代打として出場するチャンスを掴めたのだと思う」と語りました。

育成担当ディレクターを務めるポール・ジェニッシュは、「アントナッチは本当にユーモアのある面白い選手だ。アイスクリームのエピソードも微笑ましい」としつつも、「いざグラウンドに立てば、完全に集中してチームに貢献できる優秀な選手だ」と、彼の姿勢を高く評価しています。
指揮官も公認!チーム全体に広がる「アイスクリーム旋風」
ホワイトソックスを率いるウィル・ベナブル監督は、この一風変わった勝利の法則について問われ、「アイスクリームが勝利や成功につながるなんて話はこれまで聞いたことがない」と苦笑い。しかしながら、「選手たちがそれを幸運の兆しだと信じているのであれば、私も喜んで同意する。選手たちのモチベーションや団結力に繋がるものなら、何であれ全面的に支持したい」と語りました。さらに、村上選手のホームランの瞬間にアントナッチがアイスを食べていたというエピソードを聞いたベナブル監督は、「それなら次の試合は、みんなでアイスクリームを食べようじゃないか」とユーモアを交えて提案しました。
捕手のティールは「アントナッチがディビジョンシリーズ第2戦でも、いくつかアイスクリームを平らげてくれることを願っている」と期待を寄せていましたが、その祈りが届いたのか、ホワイトソックスは続く第2戦でもクリーブランドを4-3で撃破。リーグチャンピオンシップシリーズ進出へ向けて、あと1勝と王手をかけました。
【豆知識】MLBにおける「ゲン担ぎ」文化とチームの一体感
メジャーリーグでは、連勝中のチームが特定の食べ物やアイテム、風変わりな儀式を「ゲン担ぎ(ジンクス)」として取り入れる文化が深く根付いています。かつてロサンゼルス・エンゼルスで大流行した「ラリーモンキー」や、ベンチ内での「ヒマワリの種を頭にかける祝福」、あるいは特定のヘルメットにお菓子を詰めるなど、こうしたユーモラスな一体感がチームの緊張をほぐし、ポストシーズンのような極限のプレッシャー下で快進撃を生み出す原動力となります。ホワイトソックスの「アイスクリーム旋風」も、過酷な短期決戦を勝ち抜くための強力な精神的支柱となっているようです。


