
昨シーズン、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)を危機から救い出し、反転攻勢へと導いたマイケル・キャリック監督。今シーズンこそ躍進が期待されていましたが、序盤から暗鬱な試合運びが続き、クラブ史上40年ぶりとなる最悪のスタートを記録することとなりました。
トッテナム戦に見る勝ちきれない現実
マンUは11日、本拠地オールド・トラッフォードでのプレミアリーグ第6節、トッテナム・ホットスパー戦で1-1の引き分けに終わりました。ブライアン・ムベウモの先制点で優位に立ち、相手の退場により数的優位も得ていましたが、試合終盤の後半アディショナルタイムに同点ゴールを許し、勝利を目前で逃す結果となりました。
40年ぶりの歴史的低迷
この引き分けにより、マンUは開幕6試合を終えて勝ち点6(1勝3分け2敗)という苦しい状況にあります。順位は12位に低迷しており、これは1986~1987シーズン以来、実に40年ぶりというクラブ史上最悪の滑り出しです。試合終了後、ホームのファンからはチームの不甲斐ない内容に対して厳しいブーイングが飛ぶなど、スタジアムの雰囲気は悪化しています。
かつてルベン・アモリム監督の後任として暫定的に就任し、勝率70%超という驚異的な結果を残してチャンピオンズリーグ出場権を勝ち取った英雄の姿は、今のピッチ上にはありません。

戦術変更の誤算とデータの示すもの
なぜ、昨シーズンまで機能していたチームがここまで崩壊したのでしょうか。データ分析メディア「オプタ」の統計によれば、最も顕著な変化はポゼッションスタイルにあります。昨季の平均ポゼッション率が49.1%だったのに対し、今季は59.9%まで上昇。かつての速攻スタイルからボール保持型へと舵を切ったことが、かえって攻撃の効率性を下げ、守備の脆弱性を露呈させています。
また、プレッシングの強度にも疑問符がついています。前線からのプレス割合はリーグ最高となる42%に達していますが、守備陣との連動性が欠けており、簡単に背後のスペースを使われる場面が目立ちます。攻撃陣の守備負担が少ないことも、チーム全体のバランスを損なう要因となっています。
攻撃の膠着状態と指揮官への圧力
攻撃面でも停滞が続いています。マーカス・ラッシュフォードの復帰に伴い配置転換が行われましたが、マテウス・クーニャとの連携は機能しておらず、打開策のない「クロス攻勢」に依存せざるを得ない状況です。オープンプレーからのクロス数はリーグ最多の104回を記録しており、組織的な崩しができていない現状を物語っています。
現地メディアの「スカイスポーツ」は、キャリック監督が決定的な局面に立たされていると報じました。選手と監督双方の責任が問われる中、この不振を脱却できなければ解任の可能性も排除できない深刻な状況が続いています。



