
アトレティコ・マドリードの攻撃を牽引する主役は、最前線のストライカーではなく、ミッドフィルダーたちである。その中でもイ・ガンインが新たな攻撃の解決策として急速に存在感を高めている。
ミッドフィルダーが攻撃の主役に躍り出た理由
スペイン紙『エル・パイス』は20日付の記事で、アトレティコ・マドリードが今シーズン記録した総得点の半分を、ミッドフィルダー陣が担っているという興味深い統計を報じた。ディエゴ・シメオネ監督の戦術が、従来のストライカー依存型から大きな転換期を迎えていることを示唆している。
アトレティコ・マドリードは今シーズン、ラ・リーガやUEFAチャンピオンズリーグ等の公式戦で計22ゴールを挙げたが、そのうち11ゴールがミッドフィルダーによるもので、全体の50%を占める。特にアレックス・バエナが5ゴール、イ・ガンインとジュリアーノ・シメオネが各2ゴールを記録し、攻撃の起点として機能している。
停滞するFW陣とシメオネ監督の苦渋の決断
一方で、本来得点を期待されるストライカー陣は計5ゴールと全体の23%に留まり、ディフェンダーが記録した6ゴールを下回る結果となっている。フリアン・アルバレスやアレクサンダー・セルロートら主力FWがシーズン初ゴールに苦しむ中、シメオネ監督は戦術的な試行錯誤を繰り返している。

シメオネ監督は、開幕直後の得点力不足を解消するため、「フォルス・ナイン(偽の9番)」という戦術を採用した。これは最前線の選手をあえて中盤まで下げ、相手守備陣を釣り出す手法である。この役割において、イ・ガンインが備える高度な技術とパス能力が、チームに新たな多様性と攻撃の厚みをもたらしている。
過去の黄金期に見る戦術の系譜
シメオネ監督は選手時代から攻撃参加を重視する姿勢を貫いており、トレーニングでもMFに対してペナルティエリア内への侵入を強く求めている。過去の優勝シーズン(2013-14や2020-21)においても、コケやマルコス・ジョレンテら中盤の選手が多くのゴールを挙げており、今シーズンの「MF得点率50%」という数値は、シメオネ戦術がより極端かつ進化した形態であると評価できる。

ただし、シーズン全体を通した優勝争いを見据えると、最前線でフィニッシュを担うストライカーたちの復活は不可欠だ。『エル・パイス』は「アルバレスが得点感覚を取り戻せば、6年ぶりのリーグ優勝が現実味を帯びる」と分析しており、今後の攻撃陣のコンビネーションがカギとなるだろう。
※韓国のサッカーファンにとって、イ・ガンインの躍動は欧州リーグにおけるアジア人選手の可能性を示す象徴的な出来事として大きな関心を集めている。


