
スイスの人口4万5000人にも満たない小さな都市トゥーンが、同国のプロサッカーの頂点に立った。創設128年目にして初のメジャータイトル獲得である。欧州サッカー界における最も小さな奇跡の一つと評価されている。
トゥーンは4日、スイス・プロサッカー・スーパーリーグの優勝を確定させた。自力で優勝を決めたわけではなかった。トゥーンは前日にバーゼルに1-3で敗れたものの、2位のザンクト・ガレンがホームでシオンに0-3で敗れたことで、勝ち点差が10に広がった。残り3試合の結果に関係なく、優勝が確定した。
トゥーンは1898年の創設以来、128年間一度も主要な優勝トロフィーを掲げたことがなかった。それどころか、ここ5年間は2部リーグに低迷し、財政難で破産の危機にまで直面していた。
今シーズンのトゥーンの選手層の市場価値は約2240万ユーロ水準だった。リーグ12チーム中8番目の規模である。優勝を争ったバーゼルやヤングボーイズと比較すれば、半分にも満たない規模だ。
トゥーンの成功の背景には、強固な内部結束がある。クラブ会長のアンドレス・ゲルバーは、選手時代からトゥーンと共に歩んできた象徴的な人物だ。選手、監督、団長を経て、現在は会長を務めている。監督のマウロ・ルストリネッリも、選手と監督としてトゥーンに3度在籍した。ヘッドコーチのネルソン・フェレイラも、選手引退後に指導者として残った。主要スタッフの多くが長期間クラブに留まり、チームのアイデンティティを維持してきた。
トゥーンは意図的にレンタル移籍選手の比率を減らした。クラブとチームに愛着を持つ選手を中心に選手層を再編した。主将のマルコ・ビュルキも、かつてレンタル生活を経て完全移籍で復帰したケースである。
戦術的な色も明確だった。トゥーンは高い位置からのプレスと、ボールを奪った後の素早い前進を追求する攻撃サッカーを掲げた。ルストリネッリ監督は、高いプレスと素早い前進、スペースへの侵入をチームの哲学とした。この哲学は2022-2023シーズン、成績不振により批判も浴びた。しかし、昨年2部リーグ優勝と昇格を果たし、今シーズンも同じ哲学で頂点まで上り詰めた。

シーズン当初、クラブ内部の目標は優勝ではなく上位6位以内に入ることだった。しかし、開幕4連勝で波に乗り、昨年12月のチューリッヒ戦では0-2の劣勢を覆して4-2の逆転勝利を収めたことで雰囲気が一変した。その試合以降、選手たちの間で優勝の可能性に対する確信が生まれ始めた。その後、トゥーンは11試合無敗を記録した。10勝1分けという上昇気流の中でライバルチームを突き放し、ついに頂点に到達した。
トゥーンの優勝は、2015-2016シーズンのレスター・シティによるイングランド・プレミアリーグ優勝や、1997-1998シーズンのカイザースラウテルンによる昇格初年度のドイツ・ブンデスリーガ優勝に匹敵する異変と評価されている。ジ・アスレチックは「トゥーンは資本よりも組織力、スターよりも継続性、短期的な成果よりもアイデンティティを選択した」とし、「その選択がクラブ史上最大の成果となって返ってきた。128年間一度も届かなかった頂点に、最も小さな都市が立つという夢を実現させた」と伝えた。

