
2026国際サッカー連盟(FIFA)北中米ワールドカップで、男子ワールドカップの試合主審として活躍したトーリ・ペンソ氏(米国)が、「いつかは性別ではなく実力だけで審判が評価される時代が来ることを願っている」と語った。
ペンソ氏は最近のCNNとのインタビューで、「女性もスポーツや組織の意思決定の場など、これまで機会が少なかった場所に立つ資格がある」とし、「私たちが良い姿を見せれば、次の世代により大きな舞台が開かれる」と明かした。
1986年生まれのペンソ氏は、今大会で米国人女性審判として初、かつ史上2人目となる男子ワールドカップの試合主審を務めた。また、米国籍の女性審判団のみで構成された審判チームがワールドカップの試合を担当したのも今回が初めてだった。同氏はこれに先立ち、2023年オーストラリア・ニュージーランド女子ワールドカップの決勝戦で主審を務めた初の米国人審判であり、米メジャーリーグサッカー(MLS)初の専業女性主審としても活動している。
今大会には50カ国から170人の審判が選抜されたが、女性審判は6人(3.5%)に過ぎなかった。
ペンソ氏は南アフリカ対チェコ戦とエクアドル対ドイツ戦で主審を務め、ペナルティキックの判定や警告の提示など重要な判定を下した。2試合でイエローカードを7枚提示し、試合運営を主導した。同氏は「審判にとって最も重要なのは権威と尊重」とし、「理想的な試合とは、審判が目立たず自然に進行する試合だが、必要な瞬間には明確に介入しなければならない」と述べた。
試合中の選手たちとのコミュニケーションも話題を集めた。チェコ選手の抗議行動を制止し、冷静に対話を続ける場面は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で2600万回以上の再生回数を記録した。ペンソ氏は「オンラインでは『母親のように諭す場面』と言われたが、私にとっては尊重の問題だった」とし、「選手が審判を無視して背を向ける行動は許されないという基準を明確にする必要があった」と説明した。また、審判たちも毎試合後に判定映像を共に検討し、一貫性を高めるために議論を続けていると紹介した。
14歳から審判活動を始めたペンソ氏は、今回のワールドカップを自身の長年の夢が叶った瞬間だと表現した。同氏は「6万7000人を超える観客の前でトンネルを歩いて出た時、スタジアムの雰囲気と緊張感がそのまま伝わってきた」と振り返った。
今回の成果は個人の成功を超え、米国サッカー審判全体の成果でもあると強調した。米国には約13万5000人のサッカー審判が活動しており、そのうち女性の割合は22%である。全世界の女性サッカー審判の割合は約9%水準だ。ペンソ氏は「結局重要なのは性別ではなく、競技力を通じてその地位を得ること」とし、「いつかは女性審判という事実自体が、これ以上話題にならないことを願っている」と語った。
同氏は自身の3人の娘を最大のモチベーションに挙げた。スパイクには3人の娘の名前を刻んでワールドカップの試合に臨み、「娘たちが自信を持って、どんな分野でも堂々と挑戦できることを願っている」と述べた。
オンラインでは一部で性差別的な非難も続いた。ビデオ判定(VAR)の末にペナルティキックの判定を覆した際には、「女性審判だからこんなことが起きる」といった悪質なコメントも書き込まれた。しかし、ペンソ氏は「既存の秩序に変化をもたらそうとすれば、脅威を感じる人々がいるのは当然のこと」とし、「私が耳を傾ける批判は、現場の先輩や指導者からの助言だけだ」と語った。同氏は女性審判を増やすためには、幼少期からより多くの女性に機会を提供すべきだと強調した。また、FIFAが検討中の2030年ワールドカップの64カ国拡大案についても、「より多くの国と審判に機会が開かれる可能性がある」と前向きな立場を示した。
ペンソ氏は「男女のサッカーは試合運営方式や選手たちの反応が異なるため、審判もそれに合わせた準備が必要だ」とし、「来年ブラジルで開催される女子ワールドカップに向けて、女子サッカーをさらに分析し準備する計画だ」と語った。


