
アトレティコ・マドリードが1-2でリードされていた後半18分。イ・ガンイン(25・アトレティコ・マドリード)がピッチに入る準備を始めると、スタジアムの歓声は一気にボルテージを上げた。背番号7のユニフォームを身に纏ったイ・ガンインがグラウンドを踏みしめると同時に、5万78人のファンによる「イ・ガンイン!」という大合唱が会場を包み込んだ。
韓国のサッカーファンが待ちに待ったイ・ガンインのアトレティコ・マドリードでのデビュー戦は、そんな熱烈な声援の中で華々しく幕を開けた。
イ・ガンインは9日、ソウルワールドカップ競技場で開催されたマンチェスター・シティ(以下、マンC)との「2026クーパンプレイシリーズ」親善試合にて、後半18分にホセ・ヒメネスと交代で投入され、試合終了まで約27分間のプレーを見せた。結果としてチームは1-2で敗れたものの、イ・ガンインのプレーを目に焼き付けようと集まったファンにとって、勝敗以上に意義深い時間となったことは間違いない。
北中米ワールドカップ以降、アトレティコ・マドリードへの移籍が大きく報じられていたイ・ガンインは、先月25日、移籍金4000万ユーロ(約652億ウォン)でパリ・サンジェルマンを退団し、アトレティコ・マドリードへの加入を果たした。彼にとってマジョルカを離れて以来、3年ぶりのスペイン復帰となる。

イ・ガンインはこの日、ベンチスタートとなった。兵役に関連する行政手続きの関係上、スペインではなく韓国でチームに合流したため、戦術を合わせる時間が圧倒的に不足していたからだ。これは彼を最大限に配慮したディエゴ・シメオネ監督の判断であった。
イ・ガンインの出場を待ちわびるファンは、大型ビジョンに彼の姿が映し出されるたびに割れんばかりの歓声を送った。一方、イ・ガンイン本人はビジョンを見つめつつも、浮足立つことなく冷静な表情を保っていた。
後半18分、いざピッチに立つとファンの視線は彼の一挙手一投足に集中した。イ・ガンインもまた、期待に応えるように活発な動きでフィールドを躍動した。投入直後にはフリーキックのキッカーとして鋭いボールを送り込み、その後も彼特有の巧みな脱圧迫技術と鋭利なパスでスタジアムの感嘆を誘った。特に後半31分、左サイドからのクロスを中央でダイレクトシュートへ持ち込んだシーンは圧巻だったが、惜しくもゴールポストを大きく越えてしまい、会場からは深いため息が漏れた。

その後もマンCの激しいプレスに屈することなく同点弾を狙い死力を尽くしたが、悲願は叶わず。後半45分にはラヤン・アイト=ヌーリに追加点を許し、アトレティコ・マドリードの1-3での敗戦で試合は幕を閉じた。
敗戦となったものの、ファンは帰路につくことなく残り続け、イ・ガンインのアトレティコ・マドリード入団式を見届けた。赤いユニフォームに袖を通したイ・ガンインが再びピッチに現れると、クラブのレジェンドであり理事を務めるダビド・ビジャが登場。レジェンドの背番号が刻まれたユニフォームが手渡された。
ビジャは「ソウルとアトレティコ・マドリードの縁は長年続いてきたが、イ・ガンインの加入によってさらに深まった」と語り、「この場を借りて、彼に心からの祝福を送りたい」と笑顔を見せた。イ・ガンインは「重要な時期に素晴らしいクラブへ来ることができた。今後、より良い姿を見せられるよう全力を尽くすので、アトレティコ・マドリードをたくさん応援してほしい」と決意を語った。



