
米国女子プロサッカーリーグ(NWSL)の新設チーム「デンバー・サミット」が、創設初年度から爆発的な興行旋風を巻き起こしています。ホーム開幕戦にはなんと6万3004人の観客が詰めかけ、NWSLの最多観客動員記録を塗り替える歴史的な一日となりました。
チームのキャプテンを務めるジャニン・ソニス(32)は、2日に行われた英ガーディアン紙とのインタビューで、「ホーム開幕戦に6万3000人ものファンが駆けつけてくれ、その後も毎週多くのファンがスタジアムを埋め尽くしてくれています」と語り、こう続けました。「この光景は、デンバーに女子プロサッカーチームが誕生するのが、あまりにも遅すぎたという事実を何よりも物語っています」
デンバー出身のソニスにとって、今シーズンは格別な意味を持ちます。幼い頃、練習場へと向かうために通った思い出の道を再び行き来しながら、愛する故郷に初めて誕生した女子プロサッカーチームのキャプテンとしてピッチに立っているからです。
彼女は感慨深げにこう話しました。「プロ選手としてのキャリアの中で、まさかデンバーに女子プロチームができるなんて想像もしていませんでした。少しありきたりな表現かもしれませんが、本当に夢が叶ったような気持ちです」
競技面での成長も著しいものがあります。左サイドバックとして攻守の要を担いながら、今シーズンは自身最多となる9ゴールを記録。NWSL全体でも共同7位にランクインする活躍を見せています。
ソニスは「選手生活を送る中で、今シーズンほどサッカーを心から楽しめている時間は他にありません」と笑顔を見せ、「そうしたポジティブな幸福感が、そのままプレーの質にも表れているのだと思います」と語りました。
デンバー・サミットは新設チームながらリーグに適応するスピードも速く、現在7勝6分け8敗で9位と、プレーオフ進出圏内を虎視眈々と狙っています。敗れた8試合のうち、2点差以上をつけられた試合はわずか2回という粘り強さも光ります。
また、ソニスはNWSL自体の急速な成長が、新設チームの円滑なスタートを支えていると分析しています。
「リーグ発足当初と比べると、各クラブの環境やファン・関係者の期待水準は比較にならないほど高まりました。素晴らしい練習施設やスタジアムを完備した状態で参入できるチームもあり、私がプロのキャリアをスタートさせた時とは、スタートラインそのものが全く別次元です」
チームの当面の目標はプレーオフ進出です。しかしソニスは、勝敗という数字だけでこの記念すべき初シーズンを評価するつもりはないと強調します。
「選手として、結果が伴わなければ成功とは言い難い部分はもちろんあります。しかし、私たちはすでに強固なチームアイデンティティとプレースタイルを確立しました。何より、このチームのために戦いたいと熱望する選手たちによる、素晴らしいロッカールームの文化を築き上げることができたのです」
デンバーにはこの夏、欧州の舞台からリンジー・ヒップスが帰還し、チームに合流しました。米国代表チームや欧州リーグでトップクラスのキャリアを築いてきた彼女もまた、コロラド州出身のスター選手です。
「これほどのキャリアと存在感を備えた選手が加入したことで、ピッチ内はもちろん、ロッカールームの空気感に即座に良い影響が出ています」とソニスは言います。「プロとしての意識の持ち方、体のケアの徹底、コミュニケーションの取り方まで、若い選手たちはもちろん、私自身も刺激を受けています」
ソニスが選ぶ今シーズンのハイライトは、8月9日のユタ・ロイヤルズ戦。後半アディショナルタイムに鮮やかなフリーキックを叩き込み、2-1の劇的勝利を演出した瞬間です。
しかし、彼女にとって最も象徴的で忘れられない光景は、やはりあのホーム開幕戦だといいます。
NFLデンバー・ブロンコスの本拠地マイルハイ・スタジアムを6万3004人の大観衆で埋め尽くした日。ソニスは当時の心境を「まるで現実離れした夢の中にいるような、不思議で幸福な感覚でした」と振り返りました。
創設初年度から6万人を超えるファンを動員したデンバーの成功例は、米国女子サッカー市場が今、どれほどの爆発力とポテンシャルを秘めているかを示す、非常に象徴的な事例と言えるでしょう。


