6・3地方選挙当日に発生した投票用紙不足問題と、その後に続いた蚕室開票所の封鎖抗議をめぐる議論が、芸能人のSNSに飛び火している。一部のネットユーザーが、過去の政治的問題で声を上げた芸能人に対し、「今回も口を開け」とコメントを浴びせ、圧力をかけているのだ。
7日、俳優のチョ・インソンとパク・ボヨンのSNSアカウントには、蚕室の抗議参加者への「先払い決済」を要求したり、過去の発言を問題視するコメントが相次いだ。

チョ・インソンのSNSには、「今なぜ沈黙しているのか」、「イ・ジェミョン政権で為替レート1530円(※ウォンか円かは文脈次第ですが、原文ママ)になったのに、なぜ静かなのか」、「弾劾に賛成しておいて、今回の参政権侵害および不正選挙疑惑にはなぜ口を閉ざしているのか」などの書き込みが寄せられた。チョ・インソンは以前、放送で2024年の12・3非常戒厳当時、為替レートの急騰で困難を経験したと明かしている。
パク・ボヨンのSNSにも同様のコメントが続いた。「概念ある芸能人のふりして、選択的正義だったのか」、「今回の地方選挙には一言もないね」などの反応が投稿された。パク・ボヨンは非常戒厳直後、ユン・ソクヨル前大統領の弾劾を求める集会が続いていた当時、ファンに対して「今日も何事もない一日を過ごしてね。寒いからしっかり包まって出かけなきゃ。暖かい春が早く来てほしい」というメッセージを伝えていた。
俳優のイ・ドンウクや少女時代のユリのSNSでも、類似したコメントが確認された。イ・ドンウクには「投票権が制限・剥奪されたのに、なぜじっとしているのか」という書き込みが、ユリには「私たちも飲み物なり応援なりしてあげなきゃダメなんじゃないか」という要求が込められたコメントが寄せられた。
このように、過去の特定の政治的課題で発言した芸能人を対象に、今回の事態への立場を要求する現象は、単なる意見表明を超えて、陣営論理で相手を圧迫・攻撃する様相を帯びている。特に、現在の進歩政権を狙った保守系ネットユーザーの感情が強く反映されていると解釈される。
問題は、このような「コメント政治」が、芸能人個人の意思とは無関係に特定の立場を強制すると同時に、社会全体を極端な対立構図へと追いやっている点である。過去の非常戒厳や弾劾政局において、片方の陣営に立ったという理由だけで反対側から「沈黙」を非難され、逆の場合も同様の攻撃が繰り広げられ、対話や妥協が消えた「陣営間の監視と制裁」の悪循環が続いている。
専門家は「投票用紙不足問題は、選挙行政のミスという技術的問題と見る余地が大きいが、これが政治的に極端化され、社会対立を増幅させる道具に転落している」とし、「芸能人があらゆる政治的課題について立場を表明すべきだという要求自体が無理であり、それを口実に攻撃する行為は、社会の分裂をさらに深めるだけだ」と指摘する。
韓国社会は、すでに何度もの大統領選、総選挙、弾劾政局を経て、陣営間の信頼が地に落ちている。今回の選挙過程で明らかになった行政の未熟さまでもが、「味方」と「敵」を区別する物差しとして使われ、問題の本質よりも誰がどのような立場を取ったかだけに集中する風潮が深刻化している。
ある市民は「投票用紙が不足したという事実自体は、誰が見ても間違っている」としつつも「芸能人の一言に期待したり怒ったりする文化が、かえって問題の本質を曖昧にし、互いを敵にしているようで残念だ」と語った。
選挙は民主主義の中核的な手続きである。しかし、その過程で発生したミスが政治的に道具化され、誰かの沈黙が即座に「反対側への敵意」と烙印を押される風土の中で、韓国社会はますます深い分裂の沼へと向かっている。今必要なのは、「誰の味方か」を問う前に、共に問題を解決しようとする最小限の対話と信頼である。しかし、そのような声はどこからも聞こえてこない。

