
世界のサッカー史上、最も偉大な選手を挙げるとすれば、「サッカーの王様」ペレと「神」リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)の名前が真っ先に浮かびます。ブラジルとアルゼンチンのレジェンドである彼らは、ワールドカップの舞台で数多くのゴールを決め、祖国に優勝カップをもたらしました。しかし、「ワールドカップ通算最多得点者は誰か?」という問いの答えは、ペレでもメッシでもありません。その主人公は、ドイツサッカーの伝説的なストライカー、ミロスラフ・クローゼ(48)です。
クローゼはワールドカップ通算16ゴールを記録し、この部門で1位に名を連ねています。2002年の日韓W杯を皮切りに、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル大会まで、計4度のW杯に出場して積み上げた偉大な金字塔です。彼に続くのはブラジルのロナウドで15ゴール(2位)、ゲルト・ミュラー(ドイツ)が14ゴール(3位)、ジュスト・フォンテーヌ(フランス)が13ゴール(4位)とランクされています。メッシ(13ゴール)とペレ(12ゴール)は、それぞれ5位と6位にとどまっています。

クローゼの大記録がより一層輝く理由は、徹底した自己管理により4度のW杯に出場し、安定した活躍でトップの座を守り抜いたことにあります。2002年大会当時、サウジアラビア戦でハットトリックを達成するなど、ヘディングだけで5ゴールを挙げたことから「頭しか使えない半人前のストライカー」と揶揄されることもありましたが、その後、足元の技術や連携プレーまで完璧に補い、完成されたストライカーへと生まれ変わりました。
ハイライトは2014年ブラジルW杯でした。クローゼはブラジルとの準決勝で前半23分にゴールネットを揺らし、チームの7-1の大勝を導きました。このゴールで彼は、当時開催国ブラジルの英雄ロナウドが保持していた従来の最多得点記録(15ゴール)を、相手のホームで塗り替えるという劇的なドラマを完成させました。記録を更新するたびに見せていた彼の代名詞である「宙返りセレブレーション」は、ワールドカップ史上最も象徴的なシーンの一つとして残っています。
ペレのような華麗なドリブルを駆使することも、メッシのように試合全体を支配する天才性を見せることもできなかったかもしれません。しかし、正直かつ誠実にゴール前を駆け回ったクローゼは、ワールドカップの歴史において決して欠かすことのできないストライカーとしてその名を刻みました。



