「クロップ・マジック」は不発、代表監督としての厳しい現実

ユルゲン・クロップ監督がドイツ代表の指揮官に就任し、大きな期待を集めた最初の公式戦の結果は、芳しいものではありませんでした。クロップ監督就任後、初となる重要な局面で、チームは期待を大きく下回る成績に終わり、国内外から厳しい視線が注がれています。
5日に行われたUEFAネーションズリーグ・グループA第2組第4節のアウェイ戦、ドイツはギリシャと対戦し、0-0で引き分けました。この結果、9月から10月にかけて行われたAマッチ4連戦を1勝2分け1敗、勝ち点5という成績で終え、グループ3位に沈むこととなりました。首位のオランダ、2位のギリシャがともに勝ち点8を獲得している現状において、ドイツは上位との勝ち点差を3に広げられています。
相次ぐ失態と広がる批判の声
クロップ体制の初陣は波乱の幕開けとなりました。デビュー戦となった先月24日のオランダ戦では、後半アディショナルタイムに失点を許し1-1のドロー。続くホームでのギリシャ戦では、ドイツ代表史上初となる対ギリシャ戦の敗北を喫するなど、攻守ともに不安定さが露呈しています。直後のセルビア戦で初勝利を収めたものの、再び対峙したギリシャ相手に得点を奪えず、シュート数21対5、ポゼッション率70%という圧倒的な数字を残しながらも、決定力不足により勝ちきれないという課題が浮き彫りになりました。
こうした戦況に対し、ドイツサッカー界のレジェンド、バスティアン・シュヴァインシュタイガー氏は「ドイツはもはや強豪ではない。平凡なチームになってしまった」と公共放送ARDで辛辣な評価を下しました。主将のヨシュア・キミッヒ選手も現状を認める発言をしており、ホームでの不甲斐ない敗戦にはファンからブーイングが飛ぶなど、厳しい空気が漂っています。

クロップ監督の弁明と「改革」の舞台裏
批判が集中する中、当のクロップ監督は「現状のパフォーマンスに満足している」と意外なコメントを残しました。「我々がどこからスタートしたかを知っている。失望よりもむしろポジティブな驚きがある」と語り、チーム作りの過程にあることを強調しています。
監督は今回の4連戦で合計44名もの選手を招集し、2つのスクワッドで運用する大胆な手法を採りました。これは短期間での連戦に伴う負傷のリスクを避けるとともに、多様な選手を試すという実験的な意図があったとされています。実際、ギリシャとの第2戦では、過去10年で最も若い先発メンバーをピッチに送るなど、世代交代を意識した姿勢も示されました。
「戦車軍団」の威信回復へ、11月の決戦へ

ドイツ代表は、2014年のブラジルW杯優勝以降、国際舞台で低迷が続いています。2018年・2022年のW杯連続グループリーグ敗退や、今年6月の北中米W杯での早期敗退など、かつての「戦車軍団」の威信は大きく揺らいでいます。そのため、ドイツのファンは結果を強く求めており、忍耐は限界に達しつつあります。
名将として世界的な評価を確立したクロップ監督であっても、結果が伴わなければ批判を覆すことは困難です。母国の期待を背負って再建に挑むクロップ体制ですが、11月の2試合で結果を示せるかどうかが、今後のドイツ代表の浮沈を分ける重要なターニングポイントとなりそうです。ドイツ国内のサッカーメディアは、戦術的な熟成だけでなく、目に見える勝利という結果がいかに急務であるかを強く報じています。


