
導入直後から噴出する批判の声
国際サッカーのスケジュールにおいて、9月と10月のAマッチ期間を一つに統合し、一度の招集で最大4試合を消化するという新たな試みが波紋を呼んでいます。選手の負傷が相次ぐ中、欧州各国のサッカー協会からは制度の廃止を求める声が強まっています。
英紙ガーディアンによると、ドイツのベルリンで開催された欧州サッカー協会会議において、現行の長期Aマッチ期間に対する反対意見が圧倒的多数を占めました。ある協会幹部は、この過密な日程を「災いだ」と厳しく表現しています。各協会は欧州サッカー連盟(UEFA)に対し、国際サッカー連盟(FIFA)へ強く働きかけ、以前の2回に分けた方式に戻すよう要求しています。
選手の身体的負担と相次ぐ負傷
今シーズンから導入されたこの日程では、多くの国が11日間という短い期間で4試合のUEFAネーションズリーグを消化しました。当初の狙いは「選手の移動回数を減らし、コンディション管理を容易にすること」でしたが、現実は逆の結果を生んでいます。
キリアン・エムバペやジャマル・ムシアラ、アレクサンデル・イサクらトップ選手たちが相次いで負傷。プレミアリーグをはじめとする主要リーグのクラブは、代表帰還後の選手の負傷状況把握に追われています。

特に親善試合ではなく「ネーションズリーグ」という競争強度の高い試合が続くため、選手への身体的負荷は極めて高く、選手層の薄い小規模なサッカー協会ほど、主力選手を休ませる余裕がなく深刻な打撃を受けています。この公平性の欠如は、2028年欧州選手権のシード配分にも関わるため、深刻な懸念材料となっています。
財政的影響と複雑な交渉の行方
競技面だけでなく、経済的な問題も浮上しています。短い間隔でホーム試合を連続開催することで、集客やマーケティングが困難になり、貴重な収入源であるチケット販売に悪影響が出ていると複数の協会が訴えています。イングランドサッカー協会(FA)の首脳陣も、この日程の欠陥を会議で強く指摘しました。

この日程は2023年にFIFA評議会で承認され、2030年までの国際試合カレンダーの一部として固定されています。各国の協会は改善を求めていますが、FIFAとUEFA間の関係が悪化している現状もあり、即時の制度変更は容易ではありません。選手の移動負担軽減という当初の目的が、過密日程による負傷リスク増大という皮肉な結果を招いた今、この「4試合Aマッチ」体制は存続の危機に瀕しています。


