
マンチェスター・ユナイテッドが、シーズン序盤の深刻な成績不振に加え、選手団内部の不満が表面化し、クラブ運営を揺るがす事態に陥っています。
選手団と首脳陣の対立が露呈
英ガーディアン紙の14日の報道によれば、マンチェスター・ユナイテッドの選手団内部では、ジェイソン・ウィルコックス・フットボールディレクターが主導する補強政策や、極端に薄い選手層に対する不満が渦巻いていることが明らかになりました。
その火付け役となったのは、DFリサンドロ・マルティネスです。13日のUEFAチャンピオンズリーグ、アトレティコ・マドリード戦で0-2の敗北を喫した後、マルティネスは「監督や選手ばかりを責めるのは簡単だが、他に目を向けるべきことがある」と公然とクラブ首脳陣を批判しました。「ウィルコックス・ディレクターにはより大きな期待をしていたが、現在の戦力は他トップチームと比べて最高レベルとは言えない」と、その運営方針を厳しく糾弾したのです。
40年ぶりの歴史的低迷
現在、マンチェスター・ユナイテッドはプレミアリーグ開幕6試合で勝ち点6という、過去40年間で最悪のスタートを切っています。カラバオカップでの敗退やチャンピオンズリーグでの敗戦も重なり、マイケル・キャリック監督への責任論が強まる中、マルティネスは原因が現場だけでなく、クラブの意思決定構造にもあることを指摘した形です。
不均衡な投資への不満
選手内部から出ている主な懸念は、補強の偏りです。今夏、クラブは中盤のMF3名(ユーリ・ティーレマンス、アンドレイ・サントス、カルロス・バレバ)に総額1億5500万ポンドもの巨額を投じました。しかし、選手団からは「特定のポジションばかりに投資が集中し、他の脆弱な部分が放置されている」という不満が噴出しています。
特に深刻なのが左サイドバックの層の薄さです。専門職はルーク・ショーのみですが、同選手は慢性的な負傷を抱えており、今回のアトレティコ戦も筋肉系のトラブルで欠場を余儀なくされました。こうした戦術的な準備不足が、現場の士気低下を招いています。
今後の去就とクラブの対応
マルティネスの発言はチーム内でも反発を呼び、帰国前に一部の同僚から「それなら誰が不足しているのか」と問い詰められるなど、緊張が高まっています。これを受け、マルティネスは後にSNSで「結果を出さなければならないのは選手。同僚と監督を信じている」と沈静化を図りましたが、クラブ側は公の場での批判を重く受け止め、内部処分の検討に入ったと報じられています。
来年夏に契約満了を控えるマルティネスには、欧州トップクラブへの移籍の可能性も浮上しています。数年間にわたる莫大な投資にもかかわらず安定した成績を残せない現状は、単なる指導力不足を超え、クラブ全体の構造的な危機へと発展しています。


