
2026年北中米ワールドカップの開幕まであと1ヶ月半となりましたが、サッカーファンの期待よりも不満が先行しています。国際サッカー連盟(FIFA)が追加チケットの販売を再開しましたが、あまりにも高騰した価格が議論の的となっています。
FIFAは最近、「ラストミニッツ・セールス・フェーズ(直前販売段階)」を開始し、全104試合のチケットを先着順で再び放出しました。当初、第4次販売が事実上の最後であると案内していたにもかかわらず、再び在庫を放出したことで市場の雰囲気を再び揺さぶりました。FIFAは「大会終了まで追加チケットの公開は継続する」と明らかにしました。
問題は価格です。中東メディアのアルジャジーラの報道によると、今大会の決勝戦の最高額チケットは1万990ドル(約1623万ウォン)に達します。昨年12月の初回販売時の最高額だった8680ドルよりもさらに上昇しました。2022年カタールワールドカップ決勝の最高額(1604ドル)と比較すると、約7倍の水準です。
ファンの反発は、単に「高い」というレベルではありません。FIFAが今大会から事実上の「ダイナミック・プライシング(需要に基づく変動価格制)」構造を導入したためです。需要が高ければ価格がリアルタイムで上昇する仕組みであるため、人気の高いチケットの価格はさらに跳ね上がる可能性が高いのです。表向き、FIFAはこれを「変動価格制(variable pricing)」と説明しています。しかし、市場の反応は異なります。人気試合ほど価格が上がり続け、購入が遅くなるほど負担が大きくなる構造だからです。
スポーツ経済専門家のサイモン・チャドウィック教授は、アルジャジーラのインタビューで「FIFAは米国のスポーツ産業の収益モデルをそのままワールドカップに適用している」とし、「これは収益最大化のための戦略だ」と分析しました。
今大会が特に高額な理由は、開催構造にもあります。全104試合のうち78試合が米国で行われます。米国は世界のスポーツ市場の中でプレミアム消費が最も活発な市場の一つです。FIFAの立場からは、最も高い収益を期待できる環境なのです。
結局、ワールドカップの商業化が本格的に強化されたという解釈が出ています。
問題はチケット代だけではありません。スタジアムへの移動費用も急騰しました。一部の開催都市では、ワールドカップ期間中の交通費が平時より4倍以上高騰したところもあります。ニュージャージー州では、スタジアムへの往復交通費が150ドルに設定されました。
ファンの負担は、チケット代+交通費+宿泊費へとつながります。実際に一部のファンは「ワールドカップを1試合観戦する費用があれば、欧州往復航空券にプレミアリーグの試合観戦まで可能だ」と不満を爆発させています。
興味深い点は、FIFAが追加販売を続けているという事実です。これは公式には「最終販売段階の運営」ですが、市場では「予想よりも販売スピードが遅いのではないか」という解釈も出ています。
米国対パラグアイの開幕戦のような主要試合でさえ、販売スピードが期待に及ばないという報道も出ました。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、高価格論争について「ワールドカップはFIFAの4年間の収益構造を支える唯一の大会だ」と弁明しています。FIFAは非営利団体であり、大会収益は世界211の加盟国のサッカー発展のために使われると説明しています。
しかし、ファンの視線は異なります。ワールドカップは本来、最も多くの人々が共に楽しむサッカーの祭典でした。しかし、2026年ワールドカップは、次第に「誰でも行ける大会」ではなく「お金がなければ行けない大会」に変貌しつつあるという批判を浴びています。

