
新しいユニフォーム、新しい背番号、そして新しい挑戦。大きな期待を背負って開幕戦に臨んだイ・ガンイン(アトレティコ・マドリード)が、自身を証明するのに必要だった時間はわずか13分だった。公式デビュー戦で放った、ソン・フンミン(LAFC)を彷彿とさせる幻想的な左足の決勝ゴールは、マドリードに新たな英雄が誕生したことを知らせるのに十分だった。
イ・ガンインは20日、スペイン・マドリードのリヤド・エアー・メトロポリターノで行われたマラガとの2026〜2027スペイン・プリメーラ・リーガ第1節ホーム戦で、後半から途中出場し、アトレティコの2-0の勝利を導く決勝ゴールを決めた。
イ・ガンインは今シーズンを前にパリ・サンジェルマン(フランス)を離れ、4000万ユーロ(約651億ウォン)の移籍金でアトレティコ・マドリードに移籍した。しかし、兵役関連の書類問題で出国が延期され、チーム合流が遅れたため、プレシーズンの準備が十分ではなかった。
イ・ガンインはベンチから試合をスタートさせた。イ・ガンインの他にもフリアン・アルバレス、マルコス・ジョレンテ、クリスティアン・ロメロなど、ワールドカップ決勝まで戦った主軸選手たちもベンチに座るか、あるいは出場メンバーから外れていた。

アトレティコ・マドリードは前半を通してマラガのゴールをこじ開けられず苦戦した。するとディエゴ・シメオネ監督は後半に入り、勝負に出た。後半12分、イ・ガンインとアレックス・バエナ、ジュリアーノ・シメオネが同時にピッチに立った。
イ・ガンインは投入されるやいなや、アトレティコ・マドリードの攻撃に活力を吹き込んだ。最前線と右サイドを行き来しながら積極的に左足シュートを放ち、マラガの守備陣を揺さぶった。
そしてついに後半25分、待ちわびた一撃が生まれた。右サイドでダヴィド・ハンツコのパスを受けたイ・ガンインは、正確なファーストタッチでボールを収めると、守備陣をかわして中央へ切り込んだ。続いてペナルティエリアの右角から自身の代名詞である左足で巻きシュートを放ち、逆サイドのゴール隅を突き刺した。まるでソン・フンミンを彷彿とさせる幻想的な巻きシュートだった。
このゴールは、ピッチに立ってからわずか13分後のことであり、先月パリ・サンジェルマン(フランス)を離れてアトレティコ・マドリードに移籍したイ・ガンインが、新天地で迎えた初の公式戦で記録した初ゴールでもあった。アトレティコ・マドリードは後半40分、バエナが絶妙な右足フリーキックで追加点を決め、2-0の勝利を決定づけた。
短い時間でも試合の流れを変えたイ・ガンインは、ラ・リーガが選定するマン・オブ・ザ・マッチ(POTM)の栄誉まで手にした。「新しい英雄」に対するスペイン現地の反応が熱いのは当然のことだった。

スペイン紙『アス』は、試合記事のタイトルから「オー・ラ・ラ、イ・ガンイン!(Oh, la, la, Kang-in Lee!)」と銘打った。『アス』は、イ・ガンインが途中投入されてから13分で試合の流れを変えたとし、彼のアトレティコ・デビュー戦を「夢のようなデビュー」と評価した。
特にイ・ガンインの得点シーンについて、アトレティコ・マドリードで長年背番号7を背負ったアントワーヌ・グリーズマンを彷彿とさせるゴールだったと評価し、新たな背番号7の強烈なスタートに注目した。スペイン紙『エル・パイス』もまた、イ・ガンインのゴールに「ゴラッソ(golazo・幻想的なゴール)」という表現を用い、前半を通してマラガの守備をなかなか崩せなかったアトレティコ・マドリードが、イ・ガンインの個人技から生まれた一撃で膠着状態を打破したと評価した。
今シーズンを前にアメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)へ去ったグリーズマン(オーランド・シティ)も、イ・ガンインのゴールに感嘆を隠せなかった。彼は試合後、イ・ガンインのデビューゴールシーンが投稿されたアトレティコ・マドリードのSNSを訪れ、驚きを表す感嘆詞とともに「素晴らしいシュートだ」と反応した。ディエゴ・シメオネ監督も試合後、「チームが彼を必要とする時に、彼はそれをやってのけるだろう。彼は献身的な選手だからだ」と称賛を送った。

華やかなデビュー戦だったが、イ・ガンイン本人は浮かれていなかった。イ・ガンインは試合後、「シーズン初戦で勝利することが重要だと分かっていた」とし、「チームに合流してから同僚たちがたくさん助けてくれたおかげで、早く適応できている」と語った。
続いて「多くの選手がワールドカップを終えて戻ってきたばかりで、トレーニングする時間が十分ではなかった」とし、「私自身も試合勘をさらに引き上げなければならない。トレーニングを続けて、次の試合に備えたい」と強調した。
グリーズマンの後を継いで背番号7を受け継いだことについても慎重な姿勢を見せた。イ・ガンインはグリーズマンについて「代わりのいない選手」と敬意を表し、誰かの後継者になることよりも、自分が持つ能力でチームに貢献することに集中したいという意向を明らかにした。
アトレティコ・マドリードでの最初のページをめくったばかりのイ・ガンインだが、十分に深い印象を残した。グリーズマンを送り出した喪失感に包まれていたアトレティコ・マドリードのファンたちは、新たな背番号7の強烈な登場に再び胸を躍らせ始めている。



