
欧州主要リーグによるFIFAへの共同声明
イングランド・プレミアリーグ(EPL)、ドイツ・ブンデスリーガ、イタリア・セリエA、スペイン・ラ・リーガの欧州プロサッカー4大リーグは、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、組織のガバナンス(統治構造)における抜本的な改革を共同で要求しました。25日に発表された声明では、会長に権限が集中する現状を改め、意思決定プロセスに多様な利害関係者の参加を促す制度的枠組みの構築を強く求めています。
改革要求の背景とFIFAの商業構想
今回の動きは、ジャンニ・インファンティーノFIFA会長が推進していた「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」構想が7月に撤回されたことを契機としています。この構想は、ワールドカップに関連する商業権の最大20%を外部の民間投資家に譲渡する計画でしたが、欧州サッカー連盟(UEFA)をはじめとする各大陸連盟の猛反発を受け、計画の断念に追い込まれました。
欧州4大リーグ側は、「サッカーの基盤は、地域社会やクラブ、そして毎週スタジアムを支えるファンや選手にある」とし、FIFA会長が組織の存続を脅かすような商業的な搾取構想を強行したことを厳しく批判しています。なお、FFE構想が撤回された後も、FIFAの構造的な問題は依然として残存しているというのが彼らの見解です。
権限の牽制と独立性の確保
リーグ側は具体的な改善策として、FIFAの「規制機能」と「商業機能」を明確に分離し、権限の境界を再設定することを主張しています。さらに、各国協会やリーグ、選手会などを代表する常設機関を設立し、主要な政策決定の場にこれらを参加させるべきだと提言しています。
これに対し、インファンティーノ会長は今週、加盟協会や評議会に向けた書簡で、独立した外部機関による検証や、意思決定構造の改善策を議論する意向を表明しました。しかし、欧州4大リーグは「表面的な手続きの改善にとどまる可能性が高い」とし、政治的な介入から完全に独立した信頼性の高い機関運営を求めています。
欧州サッカー界の根深い不信感
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長も、FIFAに対する信頼関係は依然として損なわれたままであるとの認識を示しています。また、一部の欧州関係者の間では、来年の会長選挙を控えたインファンティーノ会長のパフォーマンスに過ぎないのではないかという疑念もくすぶっています。
10年ほど前、FIFA内部で起きた大規模な汚職事件以降も組織改革は模索されてきましたが、依然として「権力の私物化」と「牽制機能の欠如」という課題がクリアになっていないのが現状です。今回の4大リーグの結束は、FIFAという巨大組織に対し、民主的かつ透明性の高いガバナンスへの回帰を迫る歴史的な転換点となる可能性があります。


