
長い不振にあえいでいたアトランタの金河成(キム・ハソン)が、ついに復活の狼煙を上げた。実に11ヶ月ぶりとなる、1試合3安打(猛打賞)の固め打ちを記録した。
金河成は2日(日本時間3日)、敵地でのワシントン・ナショナルズ戦に「9番・遊撃手」として先発出場。3打数3安打と大暴れを見せた。これにより、今季成績は89打数10安打(打率.112)となり、苦しんでいた「打率1割の壁」を突破。金河成が1試合3安打をマークしたのは、昨年9月15日のヒューストン・アストロズ戦(4打数3安打)以来、約11ヶ月ぶりの快挙となった。
この日の金河成は、第1打席からバットが非常に鋭く振れていた。3回表、無死一塁の好機で打席に立つと、相手先発ジェイク・アービンが投じた4球目、外角のフォーシームを見事に捉えてセンター前ヒットを放つ。一塁に出塁した金河成の表情には、久しぶりに確固たる自信がみなぎっているようだった。
勢いに乗る金河成は、5回表無死一塁の第2打席でも輝きを放つ。アービンの3球目、キレのあるスイーパーを力強く引っ張ると、打球はワシントンのサードが飛びつくも届かないほどの猛烈なスピードでレフト前へと抜けていった。さらに8回表の第3打席では、レフト前への鋭いライナー性の当たりを放ち、この日3本目のヒットを記録。見事な猛打賞を完成させた。
打撃だけでなく、守備でもゴールドグラブ賞受賞者としての実力をいかんなく発揮。遊撃のポジションから何度もファインプレーを披露し、球場を沸かせた。しかしアトランタは、金河成の3安打猛打賞という大活躍も虚しく、ワシントンに5-9で敗戦。さらなる4安打目を狙っていた金河成だったが、あと一歩のところで打席が回らず、直前の打者でゲームセットとなった。
今シーズンは開幕から深刻な打撃不振に苦しみ、打率が1割を切るなど、現地メディアからは「メジャーリーグ史上最悪のシーズン」とまで酷評される厳しい逆風にさらされていた。しかし、そんな金河成が今、急激に本来の姿を取り戻しつつある。復活のきっかけとなったのは、去る27日に行われた宿敵ロサンゼルス・ドジャース戦だ。9回裏に代打として登場した金河成は、値千金のサヨナラタイムリーを放ち、それまで続いていた「27打席連続無安打」という泥沼のトンネルを脱出。一躍チームのヒーローとなったのだ。この一打を境に、完全に眠っていた打撃センスが呼び覚まされた。あの劇的なサヨナラ打から今回の3安打猛打賞を含め、金河成はここ5試合で13打数5安打(打率.385)と絶好調を維持している。
今季2000万ドル(約30億円)という巨額の年俸を受け取っている金河成。その破格の契約規模を考慮すれば、これまでの成績はまだまだ物足りなさが残る。しかし、残されたレギュラーシーズンでこのまま躍動し続ければ、メジャーリーガーとしてのプライドを十分に証明できるはずだ。現在、プレーオフのディビジョンシリーズ(地区シリーズ)への直行切符をかけてドジャースと激しいデッドヒートを繰り広げているアトランタにとっても、金河成の終盤戦での完全復活は、これ以上ない強力な追い風となるに違いない。


