
止まらない不振と監督交代の現実味
マンチェスター・ユナイテッドが再び監督交代の岐路に立たされている。オールド・トラッフォードで行われたプレミアリーグのボーンマス戦で0-3と完敗を喫したことを受け、クラブ首脳陣はマイケル・キャリック監督の去就をめぐり緊急協議を開始した。英国のガーディアン紙やスカイスポーツといった主要メディアは、クラブ内部でキャリック監督解任の可能性が極めて高いと報じている。
チームの現状は極めて深刻だ。ボーンマス戦の敗北により公式戦8試合連続未勝利となり、今シーズンは開幕から12試合でわずか2勝にとどまっている。リーグ戦では8試合を消化した時点で勝ち点7の16位に低迷。シーズン開幕後の8試合の成績としては、1986〜1987シーズン以来の最悪な記録となっている。
ボーンマス戦の惨状と指揮官の心中
ボーンマス戦では、ラヤン、マーカス・タヴァーニアー、エヴァニウソンに立て続けにゴールを許す展開となった。試合内容でも完全に圧倒されており、メディアからは「3点差の敗北で済んだことが幸運だった」と評されるほどの内容だった。試合後、去就について問われたキャリック監督は「現状は理解している。普段通り仕事を続けるつもりだが、今後どうなるかは分からない。クラブのために最善を尽くす」と語り、解任の可能性を否定しつつも厳しい現実を認めた。
なお、試合後にはホームのファンから選手たちへブーイングが飛ぶ場面もあったが、キャリック監督に対しては拍手が送られた。監督がそれに応える姿も見られたが、本人はこれを「別れの挨拶ではなく、ファンの支持に対する感謝」と説明している。
ブルーノ・フェルナンデス先発除外の波紋
この試合で最も注目を集めたのは、主将ブルーノ・フェルナンデスの先発除外だった。フェルナンデスは、前節のチャンピオンズリーグ(対コモ戦)で1-4と敗れた直後、戦術面について公に批判を行っていた経緯がある。キャリック監督は今回のベンチ外を「純粋にサッカー的な判断」とし、懲戒処分ではないと強調したが、重要な一戦での采配が裏目に出た形となった。代わりにキャプテンマークを巻いたハリー・マグワイアは、「選手団は監督を全面的に支持している。まずは選手自身が振り返るべきことがある」と擁護の姿勢を見せている。
次期監督候補と今後の展望
後任候補として、複数の名前が具体的に取り沙汰されている。ガーディアン紙によると、フットボールディレクターのジェイソン・ウィルコックス氏が、元ニューカッスルのエディ・ハウ氏を高く評価しており、接触済みであると報じられた。また、RBライプツィヒ時代にマンUの補強責任者クリストファー・ヴィヴェル氏と共に働いた実績を持つ、ユリアン・ナーゲルスマン元ドイツ代表監督も有力な候補の一人だ。その他、ウナイ・エメリ氏やアントニオ・コンテ氏の名前も挙がっているが、補償金の問題もあり、現時点ではハウ氏とナーゲルスマン氏が筆頭候補と目されている。
昨シーズン、ルベン・アモリム監督の後任として指揮を執り、チームをリーグ3位まで押し上げたキャリック監督だが、今シーズン開幕以降の急激な失速をクラブ上層部がどう判断するのか、今後の動きが注目される。


