
マンチェスター・ユナイテッドに続き、アーセナルまで撃破した。ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCが、今季のイングランド・プレミアリーグ(EPL)の勢力図を大きく塗り替えている。33歳の若き指揮官ファビアン・ヒュルツェラー率いるブライトンは、強豪相手にも臆さないプレッシングと素早い攻撃への切り替え、選手間の有機的な連携を武器に、開幕5試合目にしてリーグ最高レベルの攻撃力を誇るチームへと変貌を遂げた。
アーセナルを圧倒した完勝劇
19日、アメリカン・エキスプレス・スタジアムで行われた2026~2027シーズンEPL第5節で、ブライトンは強豪アーセナルを3-0で下した。パスカル・グロス、19歳のFWハラランボス・コストゥラス、そして新加入のチェマ・アンドレスが次々とゴールネットを揺らした。開幕4連勝中だったアーセナルに対し、ブライトンは試合開始から激しい圧力をかけ続けた。前半30分にグロスの正確なミドルシュートで先制すると、同45分にはコストゥラスが強烈な一撃を突き刺した。

後半に入ってもブライトンの勢いは止まらない。後半12分にはコーナーキックからアンドレスがヘディングでダメ押しとなる3点目を追加。アーセナルはポゼッション率60%を記録したものの枠内シュートは2本にとどまり、英スカイスポーツは「3-0というスコア以上に完敗だった」と評した。アーセナルのミケル・アルテタ監督も「相手が勝つに値した。我々は競り合いのレベルで完敗した」と完敗を認めた。
次世代へのバトンタッチと戦術的規律
ブライトンの躍進は、ダニー・ウェルベックらの主力流出という危機を、チーム全体の役割分担で乗り越えた結果だ。ヒュルツェラー監督は、経験あるベテランと才能溢れる若手を巧みに融合させている。特に、昨季レンタル移籍から復帰した20歳のマリック・ヤルクエや、19歳のコストゥラスといった若手が主力として開花。チームの戦術的基盤は「守備の意識」にある。派手な得点力に注目が集まりがちだが、監督は「全員で守ることで攻撃のチャンスが生まれる」と常に規律を強調している。

アーセナル戦で見せた守備陣とMF間のスペースを管理するコンパクトな守備網は、現代サッカーのトレンドである「強固なブロックからの即時奪還」を体現している。これにより、アーセナルのビルドアップミスを誘発し、効率的な攻撃へ転換することに成功した。
クラブ創設125周年の歴史的快挙
このアーセナル戦での勝利は、ブライトンのクラブ創設125周年記念日に重なるメモリアルな一戦となった。カラバオカップでのマンチェスター・ユナイテッド戦の逆転劇に続き、強豪を立て続けに沈めたブライトンは、5試合で勝ち点10を獲得し、リーグ3位に浮上した。ヒュルツェラー監督は、この好調に対しても「結果よりもパフォーマンスが重要。今は謙虚さを保ち、自分たちのルーツに立ち返る必要がある」と語り、長期的な視点でのチーム作りを説く。

2024年に就任し、プレミアリーグ史上最年少監督となったヒュルツェラー氏の手腕により、ブライトンは単なる中堅クラブから、リーグの頂点を争う強豪へと進化を続けている。個々の競り合いで負けない強さと、監督の指示を徹底する規律が、今のブライトンをEPLで最も注目すべきチームに押し上げている。


