
ベスト8、ベスト8、ベスト4、ベスト8、ベスト8。
2002年日韓ワールドカップ優勝以降、ブラジルがワールドカップで収めている成績だ。決して悪い成績ではないが、問題はそれがワールドカップ最多優勝(5回)を誇るブラジルであるという点だ。唯一ベスト4に進出した時でさえ、自国開催の大会であり、ドイツに1-7で惨敗した「ミネイロンの惨劇」という屈辱の歴史が刻まれている。かつて南米サッカーの盟主だったが、今やそのタイトルはアルゼンチンに奪われてしまった。
全世界の国々の中で唯一、ワールドカップ全大会に出場し、ペレ、ガリンシャ、ロナウドなど数多くのサッカーレジェンドを輩出してきたブラジルが、2026 FIFA北中米ワールドカップで目指すものはただ一つ。再び世界最高の座に返り咲くことである。
ブラジルはモロッコ、スコットランド、ハイチと共にC組に編成された。主力選手が全員負傷でもしない限り、グループリーグを突破できない可能性は皆無と言っていいほどの構成だ。

ただし、目標が「グループ1位」となれば話は別だ。モロッコというもう一つの強豪が存在するからだ。
モロッコは2022年カタールワールドカップで最大の旋風を巻き起こしたチームだった。クロアチア、ベルギーという欧州の強豪と同組になり、2勝1分け、グループ1位でグループリーグを突破した。そしてラウンド16でスペイン、準々決勝でポルトガルを撃破する番狂わせを演じ、ベスト4に進出した。アフリカの国がワールドカップでベスト4に入ったのは、モロッコが史上初だった。
その後も好成績を収め続けてきたモロッコは、今や名実ともにアフリカ最強のチームとなった。現在のFIFAランキングは8位で、実質的に第1ポットに入っていてもおかしくないチームだ。
ブラジルのスカッドは華やかだ。マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)、カゼミーロ、マテウス・クーニャ(以上マンチェスター・ユナイテッド)、ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル)、ハフィーニャ(バルセロナ)、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)など、欧州ビッグリーグで活躍する選手が溢れている。特に19歳のハヤン(ボーンマス)やエンドリッキ(オリンピック・リヨン)をはじめとする20代前半から中盤の若手選手で構成された攻撃陣に、「ベテラン」ネイマール(サントス)が加わり、新旧の調和が取れている。

ただし、中盤から守備陣にかけては懸念点がある。大部分が20代後半から30代で構成されており、体力的な問題が生じる余地がある。特にブラジルはグループリーグを米東部のイーストラザフォードとフィラデルフィア、そして南東部のマイアミで行うが、これらはいずれも夏の酷暑で有名な場所だ。
さらにブラジルはグループリーグの初戦でモロッコと対戦する。この試合はC組の初戦ではあるが、実質的なC組の1位決定戦だ。ブラジルとしては是が非でも全力を尽くさなければならない。C組の1位はF組の2位と、C組の2位はF組の1位と対戦するが、その開催地が極端に異なる。ブラジルはグループリーグ最終戦をマイアミで行うが、1位で通過すればヒューストン、2位で通過すればメキシコのモンテレイでラウンド32を戦わなければならない。C組にはオランダ、日本、スウェーデンなど手強い相手が揃っているが、相手を気にしている余裕はない。
ブラジルがモロッコと1位・2位を争う傍らで、スコットランドとハイチもそれぞれの狙いを持ってグループリーグに臨む。デンマークを抑えて28年ぶりにワールドカップ本大会出場を決めたスコットランドは、戦力こそブラジルやモロッコより一段劣るものの、アンディ・ロバートソン(リヴァプール)やスコット・マクトミネイ(ナポリ)など欧州ビッグリーグでプレーする選手が複数含まれており、「ゲームチェンジャー」の役割を果たすには十分だ。52年ぶりにワールドカップの舞台を踏むハイチは最下位が濃厚だが、ホンジュラスやコスタリカなど北中米を代表する強豪をすべて退けて本大会に進出した底力は決して侮れない。戦力がベールに包まれている部分が多いことも強みだ。



