
2026北中米ワールドカップで強烈な印象を残した「アフリカの突風」は、トーナメントに入っても終わらなかった。
4年前のカタール大会でアフリカ勢として初めてベスト4に進出したモロッコが、今回もベスト8入りを果たし、新たな歴史を予感させている。32強トーナメントで多くの国が姿を消したのも事実だが、エジプトがまだ16強戦を控えているという点で、アフリカの突風は現在進行形である。
モロッコは5日、米ヒューストンのスタジアムで行われた北中米ワールドカップのカナダとの16強戦で、アゼディン・ウナヒのマルチゴールとスフィアン・ラヒミのダメ押し弾により3-0で勝利した。
この日の勝利でベスト8に進出したモロッコは、フランス対パラグアイの16強戦の勝者と、来る10日に準決勝進出をかけて対戦する。アフリカの国がワールドカップで2大会連続ベスト8に進出したのは、今回が初めてだ。
これまでベスト8に一度でも進出したことのあるアフリカの国は、カメルーン(1990年)、セネガル(2002年)、ガーナ(2010年)、モロッコ(2022年・2026年)の4カ国に過ぎなかった。モロッコは前回の大会でのベスト4進出が偶然ではなく実力であることを、今大会で改めて証明した。
モロッコは今大会、一度も負けることなく快進撃を続けている。ブラジルとの開幕戦で1-1と引き分けて期待を高めると、スコットランドとハイチをそれぞれ1-0、4-2で下した。
トーナメントの初戦となった32強戦では、優勝候補に挙げられていたオランダと延長戦の末に1-1で引き分け、PK戦の末に3-2で勝利した。
共同開催国であるカナダと対戦したこの日の16強戦でも、3ゴールを奪い相手を圧倒した。モロッコは後半5分、ウナヒのミドルシュートでカナダのゴールをこじ開けると、後半37分にも右足でネットを揺らし、2-0とリードを広げた。勢いに乗ったモロッコは、終了直前にラヒミがカウンターから3点目を決め、勝利を決定づけた。この日の3得点により、モロッコはアフリカ勢のワールドカップ単一大会最多得点記録(8ゴール)を塗り替えた。

モロッコの選手たちもまた、意義深い記録を残している。主将のアシュラフ・ハキミは通算15試合に出場し、アフリカ人選手としての最多出場記録を更新した。ブラヒム・ディアスも単一ワールドカップにおけるアフリカ人選手の最多アシスト(4つ)の新記録を打ち立てた。この日2ゴールを決めたウナヒは、2002年日韓ワールドカップでベスト8に進出したセネガルのアンリ・カマラ以来、24年ぶりにマルチゴールを記録したアフリカ人選手となった。

48カ国体制に拡大された今大会では、アフリカサッカーの底力が改めて注目されている。本大会に参加した10カ国のうち、チュニジアを除く9カ国が32強トーナメントに進出した。32カ国体制だった過去の大会では、アフリカ勢が2カ国以上トーナメントに進出することさえ珍しかったことを考えると、驚くべき変化だ。
32強戦では9カ国中7カ国が敗退し、モロッコとエジプトだけが16強に残ったが、試合内容の面ではどの大陸にも引けを取らなかった。
特にカーボベルデは、前回大会王者のアルゼンチンを相手に2度も同点に追いつき、延長戦の末に2-3で惜敗した。カーボベルデがあと少し粘っていれば、PK戦でアルゼンチンを沈めるという最大級の番狂わせを起こす可能性もあった。セネガルとコンゴ民主共和国も、欧州の強豪であるベルギーとイングランドを敗戦寸前まで追い詰め、世界に向けて48カ国体制の正当性を証明した。
もしエジプトが来る8日、苦戦の末に16強入りしたアルゼンチンまで撃破すれば、アフリカの突風は終盤に向けてさらに激しさを増す見通しだ。


