
チェルシーの共同オーナーであるトッド・ベーリー氏が、クラブから手を引く可能性が高まっている。
英紙ガーディアンは19日、ベーリー氏と共同オーナーのマーク・ウォルター氏が保有するチェルシーの株式を、筆頭株主であるクリアレイク・キャピタルに売却する案を検討していると報じた。
現在、チェルシーの株式はクリアレイクが61.6%を保有しており、ベーリー氏、ウォルター氏、ハンスイェルク・ヴィス氏がそれぞれ12.8%ずつを保有している。ベーリー氏とウォルター氏の株式売却が成立すれば、クリアレイクの持ち分は86%以上に増え、事実上クラブの完全な支配権を確保することになる。
チェルシーは2022年、ロマン・アブラモビッチ氏がクラブを売却した際、ベーリー氏やクリアレイクなどが参加するコンソーシアムに買収された。当時、ベーリー氏は新オーナー体制の顔として前面に立ち、暫定スポーツディレクターまで務めた。
最初の移籍市場で約2億5000万ポンドを投じたが、成績は期待に及ばなかった。チェルシーは新オーナー体制で戦った4シーズンのイングランド・プレミアリーグ(EPL)平均順位が8位にとどまっている。アブラモビッチ体制の最後の6シーズンで一度も5位以下に落ちなかったこととは対照的である。

ベーリー氏が経営の一線から一歩退いた後は、クリアレイクの共同創業者であるベダド・エグバリ氏の影響力が増した。チェルシーは若い有望株を大量に獲得して長期契約を結ぶ形で選手団を再編したが、莫大な支出に比べて成果が不足しているとの批判を浴びた。財政負担も増し、2025年6月までの1年間で2億6240万ポンドの税引前損失を記録した。
この間、ベーリー氏側とクリアレイク側の対立も続いた。特にスタンフォード・ブリッジの再開発を含む新スタジアム問題や、クラブの長期的な運営方針をめぐって意見が分かれ、双方は一時期、互いの持ち分を買い取る案まで検討していた。ベーリー氏は昨年、長期的な目標に対してオーナーたちが意思を統一できなければ、最終的に「別々の道を歩む可能性もある」と言及したこともある。
最近では、クリアレイクによるクラブ掌握の可能性が一段と高まっている。ベーリー氏の長年のビジネスパートナーであるウォルター氏が、米連邦当局の調査を受けている融資問題を解決するために資産を売却しているとされており、チェルシーの株式も売却対象として取り沙汰されている。
ガーディアンは「批判の的となっていたベーリー氏がいなくなり、クリアレイクが全権を握ることになれば、状況が改善されない場合に責任を転嫁する対象も残らなくなる」と指摘した。



