
スペイン流を模倣すべきではない理由
「私たちはスペインではない。イングランドならではの強みを生かすべきだ」。イングランド代表FWアンソニー・ゴードンが、W杯敗退を経て代表チームが進むべき方向性について、明確な持論を展開した。スペインのようにボールを保持して試合を支配するサッカーを追うのではなく、イングランドが本来持つフィジカルやスピード、直線的な攻撃を最大限に活用すべきだと主張している。
24日、ESPNとのインタビューに応じたゴードンは、「イングランドには、国家としてスペインのように試合をコントロールする特性はない」と明言。自身がバルセロナでのプレーを通じて経験したスペインのサッカー文化を引き合いに出し、「彼らのボール扱い、判断の仕方は、イングランドでの経験とは全く異なるものだ。体に染みついた独自の判断基準があるように見える」と語った。
イングランドが再認識すべき「独自の強み」
ゴードンは、他国の戦術をそのまま模倣することに警鐘を鳴らす。「常に他国を追いかける必要はない。我々には、彼らにはないイングランド独自の強みがある」と強調した。具体的には、強靭なフィジカル、速い攻守の切り替え、そしてカウンター攻撃をイングランドが本来得意とするスタイルとして挙げている。
これらはプレミアリーグで象徴される、スピーディーで力強いフットボールの文化に根ざした意見である。ポゼッション重視の戦術も一つの選択肢ではあるが、イングランドの選手の特性を考えれば、直線的かつダイレクトな攻撃こそが勝利への近道であるという考えだ。
W杯敗退の教訓と監督交代論への見解
この発言の背景には、北中米ワールドカップ準決勝での逆転負けがある。先制したもののポゼッション率が12%まで低下し、後半アディショナルタイムに失点した痛恨の敗戦を振り返り、ゴードンは冷静な分析を示した。敗戦の責任をすべてトーマス・トゥヘル監督一人に負わせるべきではないとし、「最後の20分間、選手側にも主導権を握る責任があった」と語る。
トゥヘル監督自身も「コントロールを追求する自分の戦術を見直し、より混沌とした状況を許容する必要があるかもしれない」と認め、イングランド流のスタイルを模索している現状がある。これは、規律と秩序を重んじるドイツ流の戦術と、個々のフィジカルに長けたイングランドの気質がどこで折り合いをつけるかという、長年議論されてきた課題でもある。
2028年欧州選手権に向けた課題
2028年の欧州選手権を控えるイングランドにとって、残された時間は2年だ。ゴードンの言葉を借りれば、トゥヘル監督にとっての最大の命題は、スペインの真似をすることではなく、イングランドというチームのアイデンティティを再定義することにある。イングランド代表が世界的な戦術トレンドの中で、いかに自分たちのDNAを守りつつ結果を出すか。今後のチームの刷新に注目が集まっている。


